C#やVBでは、文字列(string型)は、たとえ1文字であっても文字列であり、文字型(char型)とはまったく別のデータ型である。本稿では、1文字からなる文字列と、1文字との相互の変換についてまとめる。
1文字(char型)から文字列(string型)への変換
char型の1文字を、string型の1文字の文字列に変換するには、文字に対してToStringメソッドを呼び出すのが最も簡便だ。
char myChar = '字';
// 1文字を文字列型へ(その1)
//
string s = myChar.ToString();
Console.WriteLine(s); // 出力:字
Dim myChar As Char = "字"
' 1文字を文字列型へ(その1)
'
Dim s As String = myChar.ToString()
Console.WriteLine(s) ' 出力:字
ToStringメソッドは、すべてのオブジェクトが持つ、オブジェクトの内容を文字列に変換するためのメソッドである(出力文字列の形式はオブジェクトによって異なる)。
■Stringクラスのコンストラクタを利用
文字列を生成するStringクラス(System名前空間)のコンストラクタは、引数としてchar型の配列を指定できるので、これを利用して文字を文字列に変換することも可能だ。
char myChar = '字';
// 1文字を文字列型へ(その2)
//
string s = new String(new char[] { myChar });
Console.WriteLine(s); // 出力:字
Dim myChar As Char = "字"
' 1文字を文字列型へ(その2)
'
Dim s As String = New String(New Char() { myChar })
Console.WriteLine(s)
文字列(string型)から1文字(char型)への変換
逆に、文字列(内の1文字)をchar型の文字に変換するには、Stringクラスで定義されているインデクサを用いればよい。インデクサを使えば、文字列中の任意の1文字を取り出すことができる。これは、C#では角カッコ“[…]”、VBでは丸カッコ“(…)”を文字列変数の直後に記述して使用する。
string myStr = "列";
// 1文字の文字列をchar型へ(その1)
//
char c = myStr[0];
Console.WriteLine(c); // 出力:列
Dim myStr As String = "列"
' 1文字の文字列をChar型へ(その1)
'
Dim c As Char = myStr(0)
Console.WriteLine(c) ' 出力:列
Convertクラスによる変換
Convertクラス(System名前空間)には、さまざまな基本型に対して“ToXXXXメソッド”が用意されており、これを利用しても、文字→文字列や、文字列→文字の変換が可能だ。
char myChar = '字';
string myStr = "列";
// 1文字を文字列型へ(その3)
//
string s = Convert.ToString(myChar);
Console.WriteLine(s); // 出力:字
// 1文字の文字列をchar型へ(その2)
//
char c = Convert.ToChar(myStr);
Console.WriteLine(c); // 出力:列
Dim myChar As Char = "字"
Dim myStr As String = "列"
' 1文字を文字列型へ(その3)
'
Dim s As String = Convert.ToString(myChar)
Console.WriteLine(s) ' 出力:字
' 1文字の文字列をChar型へ(その2)
'
Dim c As Char = Convert.ToChar(myStr)
Console.WriteLine(c) ' 出力:列
なお、最後のConvert.ToCharメソッドでは、引数の文字列が空文字列であったり、2文字以上であったりする場合には例外が発生する。
カテゴリ:クラス・ライブラリ 処理対象:文字列
使用ライブラリ:Charクラス(System名前空間)
使用ライブラリ:Stringクラス(System名前空間)
使用ライブラリ:Convertクラス(System名前空間)
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