はじめに
iPhone OS 3.0がリリースされて3カ月ほどが経ちました。7月には、iPhone 3GSが日本の市場でNo.1の売り上げを記録したことが報じられる(参照記事:「iPhone 3GS」が月間1位を記録したという事実)などユーザーの評価も良好なようです。
今回数多くの機能が追加された中でも、外部サービスからiPhoneアプリに向けて非同期にメッセージを送信できる「Apple Push Notification Service」は、iPhoneアプリに新しい可能性をもたらすものとしてデベロッパの注目を集めています。
今回は、このApple Push Notification Service(以下、APNS)の概要と、APNSを使ったアプリケーションを紹介してみたいと思います。
Apple Push Notification Serviceの概要
APNSは、iPhoneの外部で情報の更新があった場合にiPhoneに向けて通知を行う仕組みです。
- インターネット経由で情報の提供を行う「プロバイダ」
- メッセージを受信する「デバイス」(OS 3.0以上を搭載したiPhone)
- サービスプロバイダとクライアントデバイスの間のやりとりを仲介する「Apple Push Notification Serviceが協調してこの仕組みを実現しています
具体的には、以下の流れになっています。
- iPhoneデバイスは、APNSサーバに接続してデバイスごとに固有の「トークン」を取得
- iPhoneデバイスがプロバイダにトークンを送信
- プロバイダが、上記のトークンを基にAPNSサーバにメッセージ送信リクエストを送信
- APNSからiPhoneデバイスに向けてメッセージが送信される
プロトコルの詳細、サーバ・クライアントの実装については、「Apple Push Notificationサービスプログラミングガイド」を参照してください。
3種類の「Notification」
APNSに対応したアプリケーションを使うと、次の3種類のNotificationを受信きます。
- バッヂ
ホーム画面のアイコンに、赤丸数字で受信したNotificationの数を表示 - テキスト
SMSやMMSを受信したときと同様のテキストダイアログが表示される。ダイアログに表示されたボタンを押すことで、さらにアプリケーションを起動して詳細な情報表示などに遷移する場合もある - サウンド
受信時に音を鳴らすタイプのNotification
上記の3つを基本に、それぞれを組み合わせることも可能です。
Push Notification Serviceを使ったiPhoneアプリを試してみた
それでは、実際にAPNSを使ったiPhone アプリを紹介します。
今回は、iPhoneアプリをWeb上で検索するuquery.comを使ってアプリを検索、「これは!」と思うものを実際にインストールして試してみました。
1. QuickPigeon
QuickPigeonは、APNSを使って「Yes/No」形式のアンケートを行えるアプリケーションです。アンケートはHTMLメールの形式で送信され、YesまたはNoのボタンを押すことで、返信を行えます。
送信されるメールのクリック先URLがQuickPegionのサーバになっていて、APNSサーバへNotificationを送信しているようです。送信先が複数ある場合、続々と返信が届く様子がリアルタイムに分かります。返信の速さで気持ちが伝わり、個人的には数多いPush通知アプリの中でも非常にレベルの高いツールだと思いました。
iTunes Storeでチェック(iTunesが起動します)
2. Remember the Milk
ウェブ上でToDo管理ができる「Remember the Milk」のiPhoneクライアントです(利用には、有料のProアカウントが必要です)。
期限を迎えたToDo項目をAPNSの仕組みを使って通知してくれます。
iTunes Storeでチェック(iTunesが起動します)
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