連載
iPhone 16 Proシリーズの音質は「プロ品質」って本当? 録音エンジニアとして気になって仕方がないので検証してみた:ものになるモノ、ならないモノ(98)
スマートフォンなど一般向けのデジタル機器のプロモーションに接していると「プロ品質」「プロレベル」という言葉を目にすることがある。音楽業界の末席で、ピアノやバイオリンといったアコースティック楽器の録音を生業としているだけに、気になって仕方がないので、検証してみた。
スマートフォンなど一般向けのデジタル機器のプロモーションに接していると「プロ品質」という言葉を目にすることがある。Appleもご多分に漏れずiPhoneのカメラやマイクの機能を紹介する際「プロ品質」「プロレベル」と謳(うた)うことが多いと感じる。
実際、Appleが2024年9月に開催したiPhone発表イベントにおいても、iPhone 16 Proシリーズの録音音質について、「スタジオ品質のマイクを4つ搭載」「格段に低いノイズフロア(※機器ノイズや環境音など)」「ボーカルやアコースティック楽器の録音に最適」とプレゼンしている。
筆者は音楽業界の末席で、ピアノやバイオリンといったアコースティック楽器の録音を生業(なりわい)としているだけに、上記のような文言が気になって仕方がない。それがマーケティング手法の一環と理解していても、だ。
そこで、生歌やアコースティック楽器を、「iPhone 16 Pro Max」と、プロが現場で使用するマイクで同時に録音し、双方の音質比較をしてみることにした。
100万円のマイクと比較してみた
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.