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Subversionならできる! NetBook最強バックアップ術小山博史のJavaを楽しむ(13)(1/5 ページ)

教育界、技術者コミュニティでJava言語の教育と啓蒙に長年携わってきた筆者が、独自の視点からJavaの面白さを掘り下げていく。(編集部)

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NetBookでのバックアップに困っていませんか?

 昨年から今年にかけてNetBookネットブック)が話題となり、パソコン市場をリードしてきました。開発者の皆さんも購入して利用されている方が多いのではないでしょうか。NetBookは性能的に制限がありますから、メインの開発マシンとするのは難しいですが、移動時にアイデアをまとめたり、ドキュメントを整理したりする作業には適しています。

 また、簡単なサンプルプログラムを作成して動作させるぐらいであれば、十分利用できます。皆さんもメインの開発は、デスクトップマシンを利用して、補助的な作業をNetBookで行っているのではないでしょうか。

 今回は年末の特別編ということでJavaから離れ、そんな用途で使われるNetBookのバックアップについて考えてみました。

NetBookの利点・欠点    

 実際のNetBookのバックアップ方法を考える前に、まずはNetBookの魅力や利用方法について確認してみましょう。利用方法によって、採用するバックアップ方法も変わるからです。

NetBookは“バリバリ開発”には向かない

 筆者は、EclipseNetBeansをNetBookへインストールしてありますが、開発案件のコア技術となりそうな技術のサンプルプログラムを動かしてみる程度で、NetBookでバリバリ開発をする気にはなりません。

 なぜかというと、やはりCPU性能が低く、搭載できるメモリにも制限があるため、動作が重たいからです。SSDを使っているマシンではディスク容量も問題です。最近個人的によく使う仮想マシンも動かすには無理があります。

 それでも、筆者がNetBookを使っている理由は、値段が安いこと、バッテリーだけで長時間利用できること、持ち運びが楽であること、などの条件が満たされていて、すき間の時間や移動中に利用しやすいマシンだからです。そもそも、非力なNetBookでメインの開発をしようとはあまり考えていないのです。

PDAやスマートフォンを使おうとすると……

 ここで、思い返してみると、NetBookに近いコンセプトの機器は従来も存在していました。PDAスマートフォンです。ただしPDAやスマートフォンは、NetBookとは明らかに違う点があります。ざっと思い付くものを挙げてみると、次のようになります。

  • PCのようなキーボード入力はできない
  • マウスの代わりにタッチペン
  • 専用アプリケーションをインストール
  • データは母艦となるデスクトップパソコンと連携

 いろいろな工夫をしたり機能制限をすることで携帯しやすい大きさになっていて、長時間の稼働が可能ですが、次のような課題がありました。

  • キーボードを使って文字入力をしたい場合に使いにくい
  • 画面サイズの制限により表示できる情報量が少ない
  • 持ち運べるデータ量が少ない

 ですから、キーボードやメモリカードなどの周辺機器を買い足して、小さなパソコンとしても使えるようにしたくなってくるのですが、お金を掛けて頑張った割には、結局パソコンとして使うには中途半端なものとなってしまいがちでした。

NetBookは、なぜヒットしたのか

 そんな中、NetBookが登場しました。NetBookがなぜヒットしたのかについては、いろいろな意見がありますが、個人的には下記の点が大きく影響したと考えています。

  • 資料作成、Webブラウジング、メールなどを普通に使うのに、NetBookは十分な性能を持っていた
  • 一般的なノートパソコンよりNetBookの価格は安く、PDAやスマートフォンよりちょっと高い程度のちょうどよい値段だった
  • バッテリ駆動で長時間稼働できた
図1 NetBookの3つの利点
図1 NetBookの3つの利点

 ここで挙げた項目は、「ヘビーユーザーにとっては、2台目として購入しやすい条件を満たしていて、ライトユーザーにとっては、1台目として購入しやすい条件を満たしていた」といえます。それで、幅広いユーザーに受け入れられたのだと考えています。PDAやスマートフォンユーザーの中にも、周辺機器に3〜4万円掛けるなら、割り切ってNetBookを購入した方が良いと考えた人がいるでしょう。周辺機器も結局荷物になるので、単体で利用できるNetBookと置き換えても大きな差にならないのです。

 NetBookは、既存のデスクトップパソコンユーザー、ノートパソコンユーザー、PDA・スマートフォンユーザー、新規パソコンユーザー、それぞれにとって魅力的な点が多かったと考えられます。また最近は、クラウドコンピューティングが流行していて、「データはすべてクラウドの中へ」と考える傾向が強いですが、現実世界では、まだまだそこまでいきません。NetBookは、持ち運んで使えるものの現実的な選択肢として、ちょうどうまいタイミングで、市場に現れたのです。

NetBookのあんな用途・こんな用途

 「ライトユーザーにとっては、1台目として購入しやすい」という話を出しましたが、@ITの読者の皆さんは一般的に見ると、ヘビーユーザーになると思います。前置きでも書きましたが、NetBookでバリバリ開発をするには性能的な問題があるため、ヘビーユーザーの皆さんとしては、高性能なデスクトップパソコンとNetBookを2台所有している場合が多いでしょう。

 もしかして、どちらかしか持っていないということもあるかもしれませんが、理想的な構成としては、「ハイパワーなデスクトップと、小回りの利くNetBook」という組み合わせになるかと思います。ですから、ここでは、そういった環境を想定します。

図2 母艦とNetBook
図2 母艦とNetBook

 この場合、メインマシンは、高負荷な処理をしたり、メインの仕事をするときに使ったり、NetBookの母艦(PDAやスマートフォンユーザーは、データを連携させるマシンを「母艦」ということが多いので、ここでもこのように表現することにします)として利用することになります。

 筆者の場合、NetBookを利用する時間というのは、電車などで移動している時間や、待ち合わせ時に発生する“すき間”の時間、寝る前のちょっとした時間で、利用内容としては、Webブラウザやメーラの利用、ドキュメントの作成、整理となります。出張が多い人は、長時間バッテリが持つものを購入して、ちょっとした調べものや、出張中の議事録を作成することにも利用していることでしょう。

 NetBookでは、ネットワーク機能が充実していて、普通は有線LANと無線LANが両方付いています。携帯性を高めるため、キーボードは小さめで、ディスプレイも小さめで低解像度です。1日中使うには、ちょっと疲れますが、移動中や出先でちょっと使う分には十分です。

 筆者は、メインマシンのセキュリティアップデートをしている最中や、高負荷の処理をちょっとした時間で走らせるときに、こまごまとした作業をNetBookで片付けてしまうことも多いです。2台同時に使えると便利な場面も結構多いですから、同じようにしている読者の方もいることでしょう。

 次のページでは、データの同期やバックアップの具体的な方法についてお話します。

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