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非同期処理と疎結合ができる「メッセージング」の常識企業システムの常識をJBossで身につける(5)(2/4 ページ)

企業向けアプリケーションのさまざまな“常識”をJavaのオープンソース・フレームワーク群である「JBoss」から学んでいきましょう。企業システムを構築するうえでの基礎となる知識をリファレンス感覚で説明していきます。初心者から中堅、ベテランまで大歓迎!

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JMSのAPIを実装した代表的なミドルウェア

 JMSは標準APIを規定しているだけなので、実際にJMSを利用したプログラムを動かすにはJMSのAPIを実装したミドルウェアが必要です。

 代表的なミドルウェアとしては、「Apache ActiveMQ」があります。Apache ActiveMQはJMSを実装しているので、JMSの特徴を備えています。またJavaだけでなく、.NETC/C++DelphiPerlだけでなく、PythonPHPRubyなどのスクリプト言語でも使えるのが特徴です。

 また、以下のようなアプリケーションサーバでも、JMSをサポートしています。

  • Oracle WebLogic Server(Oracle(旧、BEA Systems))
  • Sun GlassFish Enterprise Server(旧、Sun Java System Application Server、iPlanet Application Server(サン・マイクロシズテムズ)
  • WebSphere Application Server(IBM)
  • JBoss(レッド・ハット)
  • Cosminexus(日立製作所)

JBoss Messagingとは

 JBossに関連するメッセージング用のフレームワークとしては、「JBoss Messaging」というものがあります。JBoss Messagingとは、JBossによって開発されたメッセージング・プラットフォームです。前述でも説明したJMS(JMS 1.1、およびJMS 1.0.2b)に準拠しているので、非同期での通信やPTP、Publisher-Subscriberを利用できます。

JBoss Messagingをサンプルで体験

 では、実際にJBoss Messagingをダウンロードして簡単なサンプルを動作させてみましょう。サンプルは、送信側と受信側それぞれのアプリケーションのPTPの例で行います。処理の流れは、以下のようになります。

図5 サーバのランタイムを追加
図5 サーバのランタイムを追加
  1. 受信側アプリケーションがJNDI(Java Naming and Directory Interface)を用いて、接続先を検索
  2. 検索した接続先のJBoss Messagingに受信側アプリケーションが接続。この状態で、受信側アプリケーションはメッセージの受信待ちになる
  3. 今度は、送信側アプリケーションがJNDIを用いて接続先を検索
  4. 検索した接続先のJBoss Messagingに接続
  5. メッセージ送信して処理は完了
  6. 受信側アプリケーションがJBoss Messagingからメッセージを受信し、処理は完了

JBoss Messagingを使うための環境を構築

 まずは、サンプルを動作させる環境を構築します。

JBoss Application Server 4.2.3.GAのインストール

 連載1回「企業向けアプリの常識を学び、JBossの環境構築」を参考にJBoss.orgのWebサイトからjboss-4.2.3.GA-jdk6.zipをダウンロードし、インストールしてください。ここでは、Cドライブ直下に解凍することにします。

図6 SourceForgeのダウンロードページ
図6 SourceForgeのダウンロードページ

 [コントロールパネル]→[システム]→[詳細設定]タブ→[環境変数]を開き、システム環境変数にJBOSS_HOMEとセットアップ先を設定してください。

図7 JBOSS_HOMEの設定
図7 JBOSS_HOMEの設定

JBoss Messaging 1.4.5のインストール

 次に、JBoss Messagingのダウンロードページを開き、jboss-messaging-1.4.5.GA.zipをダウンロードしてください。

図8 JBoss Messagingのダウンロードページ
図8 JBoss Messagingのダウンロードページ

 ダウンロードしたjboss-messaging-1.4.5.GA.zipを任意のフォルダに解凍します。ここでは、Cドライブ直下に解凍します。「jboss-messaging-1.4.5.GA」は、以下のようなフォルダ構成です。

図9 jboss-messaging-1.4.5.GAのフォルダ構成
図9 jboss-messaging-1.4.5.GAのフォルダ構成

JBoss Messaging 1.4.5をAntとEclipseでビルド

 jboss-messaging-1.4.5.GAをビルドするため、EclipseからAntを実行します。

1:Eclipse上で[Run]→[外部ツール]→[外部ツールの構成]を選択

図10 外部ツールの表示
図10 外部ツールの表示

2:Antビルドを新規作成し、C:\jboss-messaging-1.4.5.GA\util\release-admin.xmlを指定して実行

図11 release-admin.xmlの実行
図11 release-admin.xmlの実行 

3:「BUILD SUCCESSFUL」と表示されれば、成功

図12 ビルド成功
図12 ビルド成功

4:ビルドに成功すると、C:\jboss-4.2.3.GA\server\messagingが作成される

図13 messagingディレクトリが作成されている
図13 messagingディレクトリが作成されている

 これで、C:\jboss-4.2.3.GA\bin\run.batを実行すれば、JBoss Messagingのサーバが実行します。次ページでは、引き続き環境構築として、JBoss Messagingのサーバを使い始め、サンプルの実装をします。

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