GData APIでGoogleスプレッドシートを参照するには:Spreadsheets Data APIを使うための基礎知識(1)(1/3 ページ)
SaaS形式のさまざまなGoogle Appsを操作するGData APIの1つ、Googleスプレッドシートを操作するSpreadsheets Data APIのJavaライブラリの使い方を基本から紹介する入門連載(編集部)
REST形式のAPIでGoogleドキュメントを操作してみよう
クラウド上のデータを活用できる「GData API」とは
GData APIとは、正式には「Google Data API」といい、REST形式(※コラム参照)でGoogle Appsの以下のような各種リソースを操作できるAPIです。これらにアクセスして、データを検索したり更新できます。
- Googleカレンダー(Google Calendar Data API)
- Googleドキュメント(Google Documents List Data API)
- Googleマップ(Google Maps Data API)
- Googleサイト(Google Sites Data API)
- YouTube(YouTube Data API)
- などなど
REST形式であるため、自作のプログラムでHTTPリクエストを組み立てれば自由に利用できますが、APIをプログラミング言語から操作できるように、各言語ごとのクライアントライブラリも用意されています。
昨今「クラウド・コンピューティング」(クラウド)に対する関心が高まっていますが、GData APIは「雲の上のデータを活用するための便利なAPI」といえます。
Googleドキュメントの「スプレッドシート」を操作する「Spreadsheets Data API」とは
「Spreadsheets Data API」は、GData APIの一種で、Googleドキュメントの「スプレッドシート」(Microsoft Excelのような表計算ソフトウェアをWeb(クラウド)上に作成して更新・削除管理できるWebサービス)を操作するためのAPIです。
本連載では、Spreadsheets Data APIを利用してGoogleドキュメント上のスプレッドシートを操作する方法について紹介していきます。
また、クライアントライブラリとしてはJava言語のものを利用します。JavaのSpreadsheets Data APIのドキュメントは「Developer's Guide: Java - Google Spreadsheets APIs and Tools - Google Code」にあります。
コラム 「いまさら聞けない「REST」とは」
REST(REpresentational State Transfer)とは、HTTPプロトコルのGET(検索/参照)、POST(追加)、PUT(更新)、DELETE(削除)メソッドを利用して、Web上のリソースを操作する設計方式です。特徴としては、すべてのリソースに一意となるためのURIを付与する点や、ステートレスな点が挙げられます。
なおGData APIは、フォーマットとしてAtom Publishing Protocol(AtomPub)をベースに独自の拡張を行っており、別のフォーマット(JSONやRSSなど)でも出力できます。
Spreadsheets Data APIを使うための環境構築
検索/参照対象のスプレッドシートの用意
まず、データの検索(参照)対象となるスプレッドシートを用意しましょう。Googleドキュメントを利用するには、Google AppsもしくはGoogleアカウントが必要です。アカウントの用意ができたら、こちらの「検索データ」のリンクをクリックしてください。筆者が自作した、今回の検索に利用するスプレッドシートが表示されます。
なお、このスプレッドシートは参照専用となっているので、スプレッドシートの内容を編集したい場合は、[ファイル]メニューから[コピーを作成]をクリックして、自分のGoogleドキュメントにコピーを作るようにしてください。また、その際には名前を「検索データ」以外の、ほかのスプレッドシートと重複しない名前にし、後述のサンプルソースで指定しているスプレッドシートの名前も、その名前に変更してください。
GData APIのJavaクライアントライブラリを入手
GData APIのJavaクライアントライブラリ「gdata-java-client」を「Downloads - gdata-java-client - Project Hosting on Google Code」より入手してください。バージョンごとにサンプル付きのパッケージとソース付きのパッケージが存在します。どちらのパッケージにもjarファイルは含まれているため、好きな方をダウンロードしてGData APIのパッケージを解凍してください。
なお、本稿では「gdata-samples.java-1.40.2.zip」をダウンロードした前提で記述してあります。
「gdata/java/」フォルダを開くと、「deps」「lib」フォルダがあります。「lib」フォルダ内にGData APIのjarファイルが入っていて、「deps」フォルダにはGData APIが依存するjarファイルが入っています。また、「deps」フォルダに含まれていませんが、GData APIが依存する外部のjarファイルもあります。Spreadsheets Data APIは、外部のjarが必要ありませんが、APIによっては外部のjarファイルが必要です。詳細は、「gdata」フォルダにある「INSTALL-samples.txt」を参照してください。
Javaの開発にはEclipseを使う
本稿では、Javaの開発に良く使われる統合開発環境「Eclipse」を使います。なお、GData APIはJava 5以上であれば動くので、Java 5以上が扱えるものであれば、どのバージョンでも問題ありませんし、Eclipseを使わなくても開発・実行はできます。
Eclipse環境の構築手順については、記事「Eclipse 3.4で超簡単Javaプログラミング基礎入門」を参照してください。
なお、この記事では以下のバージョンで動作を確認しています。
- jdk1.6.0_17
- eclipse-java-galileo-SR1-win32
- gdata-java-client-1.40.2
次ページからは、Googleスプレッドシートを参照するサンプルプログラムを作り始めます。
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