検索
連載

EclipseでJavaScript削減Ajax開発 − マスカットとはTERASOLUNAでAjaxもラクラク開発(後編)(1/4 ページ)

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

JavaScript記述を削減するAjax「マスカット」とは

 前回の『業務システムでAjaxを使う際の「JavaScript問題」とは』では、「TERASOLUNA Client Framework for Ajax」(以下、TERASOLUNA Ajax)の概要について説明しました。

 今回は、TERASOLUNA Ajaxのオープンソース版である「マスカット」と、その開発環境「マスカットIDE」を利用し、簡単なAjaxアプリケーションを作成する手順を紹介します。

Eclipseプラグイン「マスカットIDE」の機能と構成

 マスカットIDEはEclipseベースの統合開発環境です。マスカットIDEを利用すると、Ajaxアプリケーションの動作に必要な「レイアウト定義XML」「イベント定義XML」を直感的に編集できます。

 マスカットIDEはマスカットエディタ、[プロパティー]ビュー、[アウトライン]ビューの3つから構成されています(図1)。

図1 マスカットIDEの構成
図1 マスカットIDEの構成

【1】マスカットエディタ

 [レイアウト]エディタ、[ソース]エディタ、[プレビュー]からなるレイアウト(画面)編集用のエディタです。[レイアウト]エディタでレイアウトをグラフィカルに編集し、編集した内容を[ソース]エディタや[プレビュー]で確認します。編集した内容はレイアウト定義XMLに保存されます。

【2】[プロパティー]ビュー

 GUI部品のプロパティ、イベントハンドラを設定するためのビューです。編集した内容はそれぞれレイアウト定義XML、イベント定義XMLに保存されます。

【3】[アウトライン]ビュー

 レイアウト構造の確認やGUI部品の選択に利用するビューです。

開発環境の整備

 本稿では、表1に示す開発環境を利用します。

カテゴリ プロダクト名
OS Windows XP SP2
Webブラウザ Internet Explorer 7
統合開発環境 Eclipse Ganymede 3.4.1
(Eclipse IDE for Java Developers)
日本語化パッチ Eclipse Ganymede 3.4.1日本語化言語パック
(サードパーティ版)
アプリケーション・サーバ Apache Tomcat 5.5
Java VM JRE 6 Update 18
表1 本稿で利用する開発環境

 マスカットIDEは、Eclipseのプラグインとして動作します。マスカットのポータルサイトから「maskatide-2.1.1.v20090731.zip」をダウンロードし、解凍して得られた「features」「plugins」フォルダをEclipseのインストールフォルダにコピーしてください。

 マスカットIDEで作成したアプリケーションを動作させるためには、「レイアウト定義XML」などの静的ファイルをWebサーバ上の公開ディレクトリに配置する必要があります。本稿では、アプリケーションの動作確認をより簡単にするため、Eclipseの[ワークスペース]をTomcatの「webapps」配下(webapps\workspace)に作成します(図2)。

図2 ワークスペースはTomcatのwebapps配下に作成
図2 ワークスペースはTomcatのwebapps配下に作成

作成するAjaxアプリケーションの概要

 本稿では、下記のフローで動作する簡単なログイン処理を実装します(図3)。

  1. 「ログイン」ボタンをクリックすることで、ユーザーID・パスワードの情報をサーバに送信
  2. サーバから名前情報(マスカット)を受信(※サーバサイドの実装については割愛し、代わりに静的XMLファイルをレスポンスとして利用))
  3. 受信した名前情報をJavaScript変数に格納
  4. ログインイベントの正常終了後、遷移先レイアウトに遷移
  5. JavaScript変数から取得した値を遷移先レイアウトに反映
図3 作成するAjaxアプリケーションの概要
図3 作成するAjaxアプリケーションの概要

 本アプリケーションは以下の手順で作成していきます(下記リストは、インデックスになっています)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る