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急速なビジネスの変化に対応できる「BRMS」の常識企業システムの常識をJBossで身につける(終)(4/4 ページ)

企業向けアプリケーションのさまざまな“常識”をJavaのオープンソース・フレームワーク群である「JBoss」から学んでいきましょう。企業システムを構築するうえでの基礎となる知識をリファレンス感覚で説明していきます。初心者から中堅、ベテランまで大歓迎!

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実行されるルールの中身をGuvnor上で確認

 Navigateメニューの「Package snapshots」セクションを開き、ツリー「Package snapshots/mortgages/TEST」を選択し、スナップショット画面を開きます。「スナップショット」とはGuvnor上にデプロイされたルールを指します。

図16 スナップショット画面
図16 スナップショット画面

ルール一覧の取得

 ここで表示されるパッケージツリーの「mortgages/Business rule assets」を選択します。すると、このスナップショットで使用するルールが一覧で表示されます。

図17 ビジネスルールの一覧
図17 ビジネスルールの一覧

 ルールの左にアイコンが付いています。これはルールの種類を表しています。「Pricing loans」は決定テーブルを表し、それ以外はビジネスルールを表しています。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

ビジネスルールの中身

 では、ビジネスルールの「Bankruptcy history」を開いてみます。

図18 ビジネスルールの例
図18 ビジネスルールの例図18 ビジネスルールの例

 このビジネスルールは、LoanApplicationの別名を「a」として定義し、「Bankruptcy(破産情報)」が存在し、かつ「yearOfOccurrence(発生日)」が1990以降、かつ「amountOwed(借入金)」が10000以上の場合、LoanApplicationの「approved(審査結果)」にfalseを設定し、「explanation(説明)」に、審査に落ちた理由を設定します。そして最後に、「Retract」で実行しているセッション上からLoanApplicationを取り下げます。

 なお今回のサンプルでは、用意されているすべてのビジネスルールの条件に合致しません。そのため、ビジネスルールは適用されません。

決定テーブルの中身

 次に、決定テーブルの「Pricing loans」を開きます。

図19 決定テーブルの例
図19 決定テーブルの例

 この決定テーブルでは借入金額、借入期間、収入源、頭金から融資の審査を行っています。表にある矢印の左側が条件になり、合致する行があると矢印の右側の値が設定されます。サンプルでは2行目の条件に合致するので、2行目の結果が実行結果として表示されています。

企業を取り巻く環境は“変化”し、システムは“進化”する

 今回は、BRMS・ESB・SOAの常識について説明しました。今後、読者の皆さんがビジネスルールに携わることになったら、ここでの知識を少しでも生かしていただければと思います。

 本連載も、今回で最後となりました。全体を通じて、「エンタープライズをターゲットとしたオープンソースのソフトウェアからイロハを学ぶ」というアプローチで、企業システムの全体像を把握できたかと思います。

 しかし、今回冒頭でお話ししたように、企業を取り巻く環境は急速に“変化”し、それに対応するための企業システムは“進化”し続けています。JBossも例外ではありませんし、ほかのソフトウェアプロダクトも同じ状況といえます。新しいプロダクト、新しいコンポーネント、新しい機能がリリースされますし、既存部分もブラッシュアップされていくことでしょう。それはまさに、企業システムが進化していることにほかなりません。

 本連載は、「現時点での」企業システムの常識といえます。そのため、企業システムの進化に従って、使う側の知識も更新していくことが求められるかと思います。その際には、本連載の内容、アプローチ方法を参考にしていただけると幸いです。

筆者紹介

2008年より株式会社ビーブレイクシステムズに在籍

佐脇 愛史(さわき なるふみ)

長年の保守業務から更なるスキルアップを目指し現在に至る。ユーザー目線でシステムの使いやすさを第一に考えたシステムの設計、開発を日々課題とする


筆者紹介

株式会社ビーブレイクシステムズ開発部所属

相原 淳(あいはら じゅん)

専門分野:Webシステム開発・保守

2008年よりビーブレイクシステムズに在籍。

前職では、Javaを用いたWEB系のシステム開発や保守作業に従事。Javaの開発を行っていく中で、オープンソースに興味を持ち、その分野で活躍できるビーブレイクシステムズに転職し、現在に至る。


筆者紹介

2008年より、株式会社ビーブレイクシステムズに在籍

多田 丈晃(ただ たけあき)

システム開発の様々な工程を経験し、果ては新人研修まで担当したが、さらなる高みを目指してJavaとOSSに強いビーブレイクシステムズの門をたたく。

同僚の知識量と能力の高さに驚きつつ、日々研鑽を続けている。


筆者紹介

株式会社ビーブレイクシステムズ技術担当取締役

上川 伸彦(かみかわ のぶひこ)

RDB製品の開発、各種業界団体におけるXML/EDI標準の策定やSOA基盤の設計などに従事。最近は、ITコンサル業よりも、業務システムの構築に携わることが多く、お客さまからの無理難題と向き合う日々を送っている。


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