音声と読み上げを生かしたアクセシビリティ機能
4.0は、視覚障害者のためのアクセシビリティ機能が改良されています。また、可読性を上げるために、ユーザーはシステム全体で使用されるデフォルトのフォントサイズを拡大できます。ます。
【19】読めるものをすべて音声で読み上げる「スクリーンリーダ」
新しいアクセシビリティ機能を使用するには、初めにセットアップを行います。セットアップの簡単なタッチジェスチャ(画面内の正方形のポイントをタップする)の後、アクセシビリティ機能が立ち上がり、セットアップのチュートリアルが開始されます。
いったんアクセシビリティ機能を立ち上げると、「スクリーンリーダ」はスクリーン上で読めるものをすべて音声で読み上げます。 Webブラウザは、お気に入りのWebコンテンツを読み取り、サイトをナビゲートするためのスクリプトベースの「スクリーンリーダ」をサポートしています。
開発者は、4.0のAPIによってハードウェアボタンを持たないデバイス上で自身のアプリのユーザー体験を向上させられます。特に、「スクリーンリーダ」のようなアクセシビリティサービス用に、簡単なナビゲーションやフィードバック、豊富なUIを表現するために、ウィンドウのコンテンツを問い合わせる新しいAPIがあります。
【20】画面を見ずとも操作を可能にする「探索タッチモード」
4.0では、ユーザーが画面を見ないで端末操作ができる「探索タッチモード」が追加されました。
一度画面に触れると、UIコンポーネントを識別する音声によるフィードバックが行われ、同じコンポーネントの2回目のタッチは通常のタッチイベントになります。「探索タッチモード」では、専用ハードウェアボタンあるいはトラックボールではなく、システムバー内のバーチャルボタンを使用します。
【21】イベントのコンテキスト情報を追加する「アクセシビリティレコード」
アクセシビリティ機能が有効になっている場合、探索タッチモード、スクロール、テキスト選択のためのアクセシビリティイベントが追加されます。これらや他のイベントのために、4.0のAPIはイベントのコンテキストに関する追加情報を提供する「アクセシビリティレコード」と呼ばれるオブジェクトを追加できます。
アクセシビリティレコードと関連するAPIを使用して、アプリはイベントに関連付けられているビュー階層にアクセスできます。アプリは親ノードと子ノード、利用可能な状態、サポートするアクション、画面位置など、多くのキープロパティの問い合わせができます。
また、フォーカスと選択状態の管理するために特定プロパティの変更要求ができます。例えば、画面内テキスト検索などの便利な機能を追加するために、これらの新しい機能を利用できます。
スマホ/タブレット関係なく統合されたUIフレームワーク
4.0は、開発者にスマートフォンやタブレット、その他のデバイス向けに統一されたUIフレームワークを提供します。新しいUIフレームワークはAndroid 3.xでなじみのあるインターフェイスとAPI、Fragments、コンテンツローダに加え、アクションバー、豊富なノーティフィケーション(通知機能)、サイズ変更可能なホーム画面のウィジェットなど、新しい要素とAPIを含みます。
【22】フォントの書体も変わり、より洗練されたUI
4.0では、システム全体にわたり共通アクションとシンプルなユーザーナビゲート機能、直感的なジェスチャ機能を持つようになりました。また、システム全体で操作のフィードバックとしてアニメーションを持つようになりました。高解像度画面用に最適化された書体は、読みやすさを改善しています。
システムバーの仮想ボタンは、バック、ホームおよび最近使用したアプリを表示する役割を果たします。システムバーおよび仮想ボタンはすべてのアプリ上に表示されますが、全画面表示アプリでは暗く目立たないように表示できます。
スクリーンの上(もしくは、下)に表示されるアプリのアクションバーでアプリのコンテキストオプションにアクセスできます。
【23】ホーム画面にフォルダとお気に入りトレイが追加、ウィジェットがリサイズ可能に
新しいホーム画面では、ユーザーがアプリやショートカットをドラッグするだけでフォルダを作成できます。すべてのアプリのランチャーから、ユーザーは単にアプリの情報を見たり、すぐにアプリをアンインストールするためにドラッグしたり、またはプリインストールされたアプリを無効にしたりできます。
小画面端末のホーム画面には、すべてのホーム画面上にカスタマイズ可能なお気に入りトレイが存在します。ユーザーは任意のホーム画面から、アプリ、ショートカット、フォルダ、その他重要な項目に簡単にアクセスできます。
また、ホーム画面のウィジェットはサイズ変更が可能になり、ユーザーがより多くのコンテンツを表示するために拡大したり、スペースを節約するために縮小したりするといったことが可能になりました。
【24】モジュール共有ウィジェット「ShareActionProvider」
4.0のUIフレームワークには、開発者が迅速にアプリのアクションバーで標準的な共有機能とUIを埋め込むことを可能にする新しいウィジェット「ShareActionProvider」が含まれます。
開発者は、単にメニューにShareActionProviderを追加し、必要な共有アクションをIntentに設定します。システムは、共有Intentを処理できるアプリのリストを構築し、ユーザーがメニューから選択するとIntentを飛ばし、残りを処理します。
【25】ADTでのUI設計のための「GridLayout」
新しいレイアウト「GridLayout」は、高速にレイアウトしてレンダリングするフラットなビュー階層をサポートすることで、Androidアプリのパフォーマンスを向上させます。
階層がフラット化されているため、開発者は論理的に関連のないコンポーネント同士をお互い視覚的に関連付けるためにコンポーネント間のアライメントを管理できます。これにより、アプリのUIを正確に制御できます。GridLayoutは特に、EclipseプラグインのADTにあるドラッグ&ドロップのデザインツールで画面構成しやすいように設計されています。
【26】スワイプによる通知、タスク、ブラウザタブの破棄
4.0では、ユーザーは指による簡単なスワイプで、通知を閉じたり、最近使用したアプリのリストからアプリを減らしたり、Webブラウザのタブを閉じたりできます。
【27】サムネイルで見られるようになった「マルチタスク」
Androidの重要な機能「マルチタスク」が、4.0でさらに簡単でより視覚的になりました。「最近使用したアプリ」のボタンは、ユーザーをあるタスクから別のタスクまで即座に切り替えさせるリストを表示します。リストは最近使用されたアプリのサムネイルをポップアップし、サムネイルをタップすることで、そのアプリに切り替わります。
【28】ノーティフィケーション(通知機能)
対話的なノーティフィケーションにより、ユーザーは一定数のタッチで、メッセージを受信したり、音楽を再生したり、アプリからのリアルタイムの更新を確認したり、その他さまざまなことが可能になります。
小画面の端末では、通知は画面上部に表示され、大画面の端末では通知はシステムバーに表示されます。
【29】ロック画面でイロイロできるように
ロック画面では、ユーザーはアンロック以外の動作もできるようになりました。ユーザーは写真を撮るためにカメラを直接起動するか通知画面をプルダウンしてメッセージをチェックできます。
音楽を聴いているときも、ユーザーは音楽トラックの管理とアルバムカバーを見ることができます。
【30】着信画面でテキストメッセージ操作が
着信があった際にユーザーは電話に出たりデバイスをアンロックしたりせずに、テキストメッセージで応答できるようになりました。
ユーザーは、着信画面上でテキスト候補表示のためにコントロールをスライドし、タップして送信し着信を終了します。設定アプリで自分自身のメッセージを追加したり、リストを管理したりできます。
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