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日本発、S3互換クラウドストレージ構築パッケージ「Cloudian」S3の「エコシステム」をフル活用

S3 API互換で、サービス開発向けの独自機能を多数用意したクラウドストレージ構築パッケージ「Cloudian」。大手での採用事例をフックにグローバル展開を目指す

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 クラウディアンは2012年10月29日、同社のクラウドストレージ構築向けパッケージソフトウェア「Cloudian」について、NTTコミュニケーションズが2012年10月23日から展開している「BizホスティングCloudn」サービスで採用されたことを発表した。

 クラウディアンは日本に本拠を置くベンダ企業。日本・米国・中国に開発拠点を持つ。2012年8月11日に同社サービスの名称と同じクラウディアン(Cloudian)に社名を変更したばかりだ(それ以前はGemini Technologies)。Gemini Technologies時代にはメッセージング関連の製品を主力とした事業展開を行っていたが、後に大容量Webメールサービスのパッケージも展開している。


クラウディアン 代表取締役 太田洋氏 米国・中国の法人を所有するクラウディアンホールディングスのCEOでもある。J-Phoneで「写メール」サービスの企画・開発を推進した経歴も持つ

 Cloudianは、Amazon S3のAPIとの互換性を特徴とするクラウドストレージ構築ソフトウェアであり、現在、同社の主力事業となっている。

 「業界のデファクトスタンダードであるS3のAPIとの互換性を維持することで、S3が既に構築しているエコシステムを活用できるのが強み」(クラウディアン 代表取締役社長太田洋氏)

 Amazon S3とのAPI互換については、「Cloudianのアップデートは3カ月ごとに行われる。Amazon S3 API側のアップデートのペースも速いが、われわれはそれに3〜6カ月以内に追随できる」(クラウディアングループ COO マイケル・ツォ氏)としている。

 Cloudianの場合、PutやGet、Deleteなどのシンプルな操作以外の高度な機能にも互換性を持たせている点が特徴である。

 「マルチパートアップロードやロケーション・コンストレイン、アクセスコントロールリストなどに対応できるプロダクトはCloudianだけだろう」(クラウディアン 経営戦略・事業開発担当 本橋信也氏)


重要なデータの置き場所を指定できるロケーション・コンストレインは、知的財産保護の観点からも重要な機能といえる(当日発表資料より)

クラウディアン 経営戦略・事業開発担当 本橋信也氏

 S3互換が優位点であれば、S3をそのまま使う方が良いように思う向きもあるだろう。Amazon S3と比較して、Cloudianは何が優位なのだろうか?

 「Amazon S3 APIとの互換性を継続的に維持しつつ、独自の機能を提供することで、クラウドストレージサービス開発において優位性を保てると考えている」(クラウディアン 経営戦略・事業開発担当 本橋信也氏)

 独自の機能とは、マルチテナント機能や、課金設定機能、QoS設定機能などに加え、仮想的にリージョンを超えてストレージを利用できるバーチャル・バケット機能、オブジェクトサイズによって格納先を選択するHyperStore機能などである。特に、HyperStoreについては、書き込みで約30%、読み込みで約400%高速化できるほか、ディスク容量の削減に高い効果を発揮するとしている。


バーチャル・バケット機能(同社発表資料より)

HyperStore(同社発表資料より)

HyperStoreのパフォーマンス比較(同社発表資料より)

 今後の同社の事業展開としては、プライベートクラウドサービスへの採用に期待を寄せているという。

 「今後はパブリッククラウド以上の市場規模を持つプライベートクラウド市場に注力する。また、CloudStackとの連携も進める。パートナー企業のネットワークを活用したグローバルでの展開も視野に入れる」(本橋氏)

 現在、Cloudian認定のクラウドストレージエンジニアは45人ほど。今後もパートナー企業のエンジニアへのトレーニングを推進し、人員を増やす予定だ。

 Cloudianには、日本語によるサポートを保証する商用製品のほかに、100テラバイトを上限とした無償のコミュニティ版が用意されている。ドキュメントなどは英語のみであるが、コミュニティ主導のフォーラムも運営する。

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