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現代のソフトウェア/サービス開発で構成管理が重要になった5つの理由DevOps時代の開発者のための構成管理入門(1)(1/2 ページ)

「DevOps」という言葉にもあるように、ソフトウェア構成管理は、インフラ運用に取り入れられるなど、変わりつつある時代だ。本連載では、そのトレンドにフォーカスして、現在のソフトウェア開発に有効な構成管理のノウハウをお伝えする

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もはや以前の「構成管理」ではない

 ソフトウェア構成管理はソフトウェア開発の現場で一般的になってきましたが、それを取り巻く状況は2000年代中盤と比較して、ソフトウェアビジネスのトレンドや使用するツールなど、ずいぶんと変わってきています。

 読者の方の中にも「Gitそろそろ覚えないといけないのかな?」「Jenkinsって何がうれしいのだろう?」「開発のサイクルが以前より短くなって大変だな」などと感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないかと思います。

 また、本連載のタイトルにも含まれている「DevOps」の考え方の中では、柔軟なインフラ管理を実現するために、構成管理をインフラ運用に取り入れることの必要性が説かれており、その適用範囲が「コード」だけではなく「インフラ」にまで広まってきています。

「DevOps」とは

DevOpsとは、表面的な利害が対立しがちなDev(開発)とOps(運用)の間の壁を越え、本来のお互いの共通のゴールであるビジネスの成功へ向かって協力し合う関係をどのように生み出すか、その方法論やツール、文化についての考え方です。


この考え方は、2009年に画像共有サービス「Flickr」のスタッフが「1日に10回デプロイをするためにDevとOpsがどのように協力しているのか」というスライドで紹介したものが発端となり、全世界に広まっていきました。日本でも「DevOps Days Tokyo 2012」が開催され、その注目は日増しに高まっています。


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 本連載では、変わりつつあるソフトウェア構成管理のトレンドにフォーカスして、現在のソフトウェア開発に有効な構成管理のノウハウをお伝えしていきます。

 筆者の所属するヌーラボでは、プロジェクト管理ツール「Backlog」、図形作成コラボレーションツール「Cacoo」の2つのWebサービスを提供しています。この2つのサービスの開発、運用経験を基に、「実践的で使える」構成管理手法を中心に紹介していく予定です。

 今回は連載第1回ということで、構成管理を取り巻くトレンドを含めながら、本連載の全体像についてご説明します。

なぜ今「構成管理」なのか?

 今、ソフトウェア構成管理が大変注目を集めています。2012年7月に東京で開催されたCIツール「Jenkins」のカンファレンスは600名近い参加者を集め大盛況でした。

 また、関西で定期的に開催されている、Redmineとタスク管理を考える勉強会「RxTStudy」は毎回100名近くの参加者が集まり、自分たちの取り組みや課題などについて共有し、また活発な議論がなされています。

 このように、以前は縁の下の力持ち的な存在だったはずのソフトウェア構成管理が表舞台でも注目されてきている理由として、次のような時代の変化があると考えられます。

【1】簡単になってきたプログラミング

 2000年代初頭と比べると、言語の進化、テスティング手法の普及による品質の向上、Ruby on Railsなどの生産性を高めるフレームワークなどにより、プログラミングはずいぶんと楽になってきました。プログラミングに関しての議論は成熟し、ノウハウも共有されつつあります。

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 これらを踏まえたうえで、次に開発全体の中で大きく改善できるポイントが「構成管理」であり、重要性が高まってきている理由の1つであると考えられます。

【2】クラウド(PaaS)の登場

 次に、開発したアプリケーションを動かす環境も、今では自社でハードウェアを持たず、クラウド上に仮想的なサーバを構築して利用するスタイルが一般的になってきています。

 クラウド環境では、各種の操作に対応するAPIが提供されており、プログラムからサーバを起動する、構成を変更するなどが可能です。これにより、システムの拡張、障害からの復旧などが以前に比べると圧倒的に容易に、かつ迅速に行えるようになりました。

 これまで、構成管理といえば主にソフトウェア開発の領域にフォーカスが当たっていましたが、運用環境の「構築」「設定」「更新」といった、DevOpsでいうOps側の領域も構成管理の範囲に含めて考えることが、スピード感のあるサービス展開を行うための重要な要素となってきています。

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