「100%フラッシュ」ストレージ、サーバ仮想化環境、VDI市場を狙う:独自のインライン重複排除機能を実装
独自実装のRAID技術や遅延の少ないインライン重複排除などの機能を持つ米Pure StorageのSSDストレージ製品が日本国内で展開へ。販売は東京エレクトロンデバイスが行う。
2013年1月22日、東京エレクトロンデバイスは、米Pure Storageとの販売代理店契約を締結、Pure Storage製SSDストレージ製品「Pure Storage FlashArray FA-300」シリーズの販売を開始した。
製品モデルは、コントローラ1台で構成される「FA-310」と、Active/Active方式で二重化したコントローラを備える「FA-320」の2種。いずれも、ストレージ容量は2.75TB/5TB/11TBから選択できる。同シリーズでは、低価格で調達可能なMLCフラッシュメモリによるSSDを全面採用している。安価なSSDを採用しながらも、インラインでの重複排除機能や、圧縮、SSDストレージ向けに独自開発したRAID「RAID-3D」機能(下記動画参照)を持ち、エンタープライズレベルの要求に応えられるとしている。接続インターフェイスはファイバチャネル(8Gbps)とiSCSI(10Gbps)の2種類。ストレージOSには独自開発の「Purity Operating Environment」を搭載する。オープン価格だが、「圧縮格納後換算で1GB当たり1000円台がめやす」(東京エレクトロンデバイス CN事業統括本部 CNプロダクト事業部 ビジネスデベロップメント部 長尾圭輔氏)としている。
ディスクストレージと比較した際にI/O速度が改善するのはもちろんだが、インライン重複排除においては、1ms以下の書き込み遅延を実現しており、プライマリストレージとして利用も可能なのが最大の特徴。東京エレクトロンデバイスでは、サーバ仮想化環境、DWH、VDIの3つの分野への展開を狙う。
「VDI市場は今後の成長が期待されていることから、特に注力していきたい」(東京エレクトロンデバイス CN事業統括本部 CNプロダクト本部 ビジネスデベロップメント部 部長 上善良直氏)
会見に合わせて来日した米Pure Storage CEO スコット・ディーツェン氏は、VDI環境では特にサーバ側のディスクI/Oに起因する応答遅延を問題とする声が多いことから、ディスクドライブと比較してI/O速度の速いフラッシュメモリ採用による課題解決が可能であるとし、フラッシュメモリの課題であったGB当たりの価格についても「VDI環境のデータであれば、15〜20分の1程度のボリュームで格納できるため、コスト効率がよい」と、同製品の利点を強調した。
また、ストレージ全体でMLCフラッシュを採用していることから、高価なストレージ製品を導入したり、あるいはキャッシュメモリのみでフラッシュを採用している場合と比較して、初期設定などの工数が不要であり安価でかつ少ない点数の部品のみで保守できる点も利点であるとしている。
デモではVMwareを使った仮想環境下で40のクライアントOS(Windows Server 2008R2)に44GBずつを割り当てて立ち上げた場合で、1.48GB程度のボリュームに格納できることが示された。
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