オラクルが自社製品向けDBプロビジョニング効率化ソフトウェアの提供を開始:ストレージ製品群もオラクル最適化を加速
オラクルが持つストレージラインアップ向けの管理ツールを発表。自社データベースアプリケーション、ストレージ製品に特化して運用効率化を図る。
2013年2月28日、日本オラクルは「Oracle Snap Management Utility for Oracle Database」の日本国内での提供を開始した。
Oracle Snap Management Utility for Oracle Databaseは、ストレージ製品「Sun ZFS Storege Appliance」の専用ソフトウェアとして提供される。Sun ZFS Storage Appliance側の機能と連携することで、データベースのスナップショットやクローンを安全かつ容易に作成・管理できるようになるという。Sun ZFS Storage Appliance 7120/7320/7420に格納されているOracle Database 10g、11gのデータベースに対応する。価格は管理コントローラ当たり44万8370円(税別)。
データベースアプリケーションが持つデータのプロビジョンニングでは、アプリケーション側の前処理・後処理とは別にストレージの管理者側でも都度作業が必要だ。コマンド操作やスクリプト記述・改変などを実行する必要もあり、ストレージ管理者側の負担も小さくなかった。
今回のツールを利用すると、ストレージ管理者による手作業に頼らずに、データベースプロビジョニングに関する作業をアプリケーション管理者側で完結できるようになる。
これにより、例えば、稼働中のデータベースから安全にデータのクローンを作成し、別途、データ分析アプリケーション用に活用したり、アプリケーション開発時に実データを使って検証するといった作業が、ストレージ管理者の工数を割かずに実現できるという。
同製品の発表と併せ、オラクルのストレージ製品ラインアップについての説明も行われた。
会見で登壇した日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 副統括本部長 プロダクト・マネジメント・オフィス 本部長 宮坂美樹氏は、「ビッグデータという言葉が注目される場合、サーバシステムに注目が集まることが多いが、ビッグデータの活用で重要なのはデータを格納するストレージ。オラクルとしてストレージ領域の製品は今後も強化していく」と語る。
宮坂氏によると、オラクルではITシステム全ての領域において同社アプリケーション群に最適化したハードウェア展開を進める「Oracle on Oracle」化を推進しているという。Exadataなどのような「エンジニアドシステム」だけでなく、通常のハード/ソフトウェアの組み合わせにおいてもオラクルの持つラインアップ向けの最適化を推進していくとしている。
その例として、Hybrid Columnar Compression(HCC)と呼ばれる、オラクルストレージ製品に特化したデータ圧縮技術や、旧StorageTekの新しいテープドライブも披露された。
日本オラクルでは、旧サン・マイクロシステムズのハードウェア資産であるSun ZFS Storage Applianceの他、旧StorageTekのテープストレージ製品群も持つ。また、2011年に買収したSAN製品Piller Axiomも提供している。いずれも、同社アプリケーションやハードウェアとの組み合わせに最適化した展開を加速していくものとみられる。
中でも、StorageTek製品ラインアップではLTO 6に対応した製品が登場したことで、1巻当たりの容量が約6TB超、データ転送速度が160mbpsと、ハードディスクドライブより高速化している。
会見で登壇した日本オラクル システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 プロダクト・マネジメント・オフィス システム製品事業推進グループ プリンシパル・セールス・コンサルタント 中西国和氏は、同社ラインアップに組み込まれているStorageTek製品群の優位性について、「過去、テープドライブベンダはソフトウェア側のサポートをあまりしてこなかった。旧サン・マイクロシステムズのハードウェア資産の1つとしてオラクルのラインアップに統合されたStorageTek製品群では、例えばエラー管理などの領域でもユーザー支援につながるソフトウェアも提供できる」と説明、管理面での優位性を強調した。
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