導入の背景
セキュアかつ利便性の高いモバイルワーク環境の整備が急務
株式会社TDモバイル(以下、TDモバイル)は、2009年に豊田通商とデンソーの共同出資によって設立された、モバイル事業を専門とする企業。エヌ・ティ・ティ・ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなど主要モバイルキャリアのパートナー企業として、日本全国で約300店舗のキャリアブランドショップを運営するほか、企業向けのモバイルソリューションやコンテンツ制作など、幅広くモバイル関連事業を展開している。
同社は全国各地に店舗や取引先を持つため、営業担当者は外回りや出張が多く、加えてモバイル事業を専門に手掛けることもあり、モバイルワーク環境に対する現場からの要望は多い。しかし、同社 法人営業本部 法人営業部 部長 川嶋康裕氏によれば、会社設立後しばらくの間は、現場の要望に必ずしも応えられていなかったという。
「弊社は急な事業統合で設立された経緯があったため、会社立ち上げ時にIT環境を十分に整備できなかった。PCは古いWindows XPマシン、メール環境もASP型サービスで、取り急ぎ立ち上げざるを得なかった。モバイルワーク環境に関しても、一応フィーチャーフォンからメールを確認できる仕組みは導入したものの、使い勝手が悪かった。さらに最近は、スマートフォンからメールやスケジュールを確認したいという要望が営業現場の社員から上がってきていた」(川嶋氏)
導入の経緯
通信キャリアが取引先のため万全のセキュリティ対策と多様なデバイス対応が必須
一方で、同社は気軽にモバイルワーク環境を導入できない事情をいくつか抱えていた。その最たるものがセキュリティの問題で、同社は極めて厳しいセキュリティ管理レベルを適用しているという。TDモバイル 事業戦略部 技術マーケティング室 室長 築山裕治氏は、次のように説明する。
「主要な取引先が通信キャリアなので、セキュリティ対策には万全を期す必要がある。ノートPCに個人情報を保管するなどもってのほかで、携帯電話やスマートフォンなどの端末にも二重、三重にロックを掛けて、さらに肌身離さず身に付ける必要がある。仮にメール環境やグループウェア環境を刷新するにしても、そうした厳しいセキュリティ要件に応えられるものでなければならなかった」(築山氏)
さらには、各通信キャリアとの取引がある関係上、異なるキャリアの多様なデバイスを万遍なくカバーする必要もある。
複雑な事情を抱えつつも、一方でモバイルワーク環境の整備が急務――。同社のこのようなジレンマを解決したのが、マイクロソフトのクラウド型グループウェア「Office 365」だった。
導入の効果
メールのみならずWeb会議によるコスト削減と業務効率化を実現
Office 365の「Exchange Online」が提供するメール環境は、Windows PCやWindows Phone端末からはもちろんのこと、その他のOSのタブレット端末など、あらゆるデバイスから専用アプリもしくはWebブラウザ経由でアクセスできる。常に多様なデバイスを扱う同社にとって、まさに打って付けのソリューションだった。
また、冒頭でも紹介した通り、同社は極めて厳しいセキュリティポリシーを運用しているため、誰しもが勝手に使えてしまうようでも困る。しかしOffice 365は、その点においても「まったく心配がいらない」と川嶋氏はいう。
「Office 365は機能ごとにセキュリティ権限をきめ細かく設定できるため、セキュリティポリシーの厳守とユーザーの生産性向上を高いレベルで両立できる。弊社のように、厳格なセキュリティポリシーを運用している企業にとって、これは大変ありがたい」(川嶋氏)
こうして同社は2012年2月、全社のメール環境を一斉にOffice 365に移行。もともと、全社的にメールクライアントをOutlookに統一していたこともあり、移行はあっけないほどスムーズに完了したという。これにより、当初の目的であった「スマートフォンからのメール/予定表へのアクセス」が実現したのはもちろんのこと、併せて「メール環境の使い勝手自体も大幅に向上した」と川嶋氏は述べる。
「それまで使っていたメール環境では、大きなファイルが添付されたメールを何通か受信しただけで容量がいっぱいになり、送受信できなくなるようなことが頻繁に起こっていた。しかしOffice 365に移行後は、メールボックス容量が格段に増えたため、そうした心配を一切しなくて済むようになった。また、メールの検索処理がとても速い点も重宝している」(川嶋氏)
さらに、メールに加えて同社が最近特に積極的に活用しているのが、「Lync Online」のWeb会議機能だ。先に紹介したように、同社の営業担当者は出張が多いため、かねてより出張経費の削減が課題になっていたという。そこで同社の法人営業部では現在、一部のチームを対象にLync OnlineのWeb会議を導入し、出張を減らす取り組みを進めている。同社 法人営業本部 法人営業部 東日本ソリューション第一グループ 星合友紀氏によれば、これによる出張費削減の効果は極めて大きいという。
「私1人だけでも、毎月2、3回あった出張をWeb会議で済ませるようになったことで、月15万円ほどの出張費を節約できていて、移動時間を丸々節約できるので、業務効率も大幅に向上している。さらには、仮に出張に出掛けたとしても、Lync Onlineのチャット機能を使えば、どこにいても部下とタイムリーにコミュニケーションできる。このように、Lync Onlineはコスト削減はもちろん、ワークスタイル全般の変革をもたらしてくれるツールだと実感している」(星合氏)
今後の展開
SharePoint Onlineの活用による、さらなるワークスタイル革新を
現在、同社内でLync Onlineを利用している社員はまだ一部に留まっているが、今後はWindows XP環境の刷新に合わせ、利用者の範囲を広げていく予定だ。
また、同社では今後、このLync Onlineに加えて、「SharePoint Online」の活用も積極的に進めていくことで、モバイルワーク環境だけに限らない、ワークスタイル全般の改善に取り組んでいくという。
「現在、SharePoint Onlineを使って全社ポータルや部門ポータルを整備したり、ファイルサーバ環境をSharePoint Onlineに集約したり、といった取り組みを検討している。これによって、Office 365の導入である程度進んでいるワークスタイル革新を、さらに加速させていきたい」(川嶋氏)
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