SFCが「データビジネス創造・ラボ」を創設:国内のデータサイエンティスト養成機関
慶應義塾大学SFC研究所は、アクセンチュア、ブレインパッドと共同でデータ分析・解析の共同研究を実施、実務に即したスキルを持つ学生も育成する。
慶應義塾大学SFC研究所は2013年9月19日、アクセンチュアおよびブレインパッドと共同で、データサイエンティスト育成カリキュラムの構築、ならびに先進的なビッグデータの集計・解析手法などに関する共同研究を実施する「データビジネス創造・ラボ」を創設した。
データビジネス創造・ラボでは、「IT、アナリティクス、デザインの融合方法の研究」をテーマと定め、主に以下の研究を実施していくと表明している。
「データビジネス創造・ラボ」の研究領域
IT、アナリティクス、デザインの融合方法の研究
- 各種データの収集に向けたあるべき情報システムの研究
- データ処理方法などのアーキテクチャ構築の研究
- データ分析手法の研究
- データを組織戦略に活用できる人材の研究
人材育成
- データサイエンティストの育成
- 教育カリキュラムの立案
ケーススタディ執筆
- 非営利・営利組織の事例調査、およびケースの作成
アクセンチュアでは、日本法人の体系の中に、グローバル組織でもある「アクセンチュア アナリティクス」を編成している(関連記事)。同社では経営コンサルティング本部 アクセンチュア アナリティクス 日本統括 シニア・プリンシパル 工藤卓哉氏らがこのプロジェクトに参加、学生向けのカリキュラムを考案して教壇に立つ予定だという。
現内閣が2013年6月14日に閣議決定した「世界最先端 IT 国家創造宣言」では、行政機関が公開するオープンデータに加え、個人情報保護を前提としたパーソナルデータの活用が議論されており、直近で活用に向けた法整備が進む見込みだ。こうした政策による後押しを受け、今後、データを活用した事業創出が加速することが予想される。
慶應義塾大学SFC研究所では、国内で既に多数のデータ分析プロジェクトに関わるブレインパッドと、国内外のデータ分析事例を持つアクセンチュアの両者と協力することで、実務に即したデータサイエンティストのスキルやノウハウをカリキュラム化し、将来的に国内で需要が増すと考えられる、実務を理解したデータサイエンティストを育成したい考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ビールと紙おむつ」のような相関関係を探る分析手法にはどんなものがある?――データ分析方法についての検討
分析から導き出される隠れた相関関係を探るには? 代表的分析手法の紹介と、サンプルを使った実際の分析手法を紹介します。 - 「データサイエンス修士号」のお値段は年間6万ドル?〜UCバークレーのオンライン講座
カリフォルニア大学バークレー校の情報大学院がデータサイエンスの修士号を取得できるオンライン講座をスタートする。6万ドルという年間授業料は果たして適切なのだろうか。 - データ分析がデキるITエンジニアになるために必要な「道具」を揃える
データ分析の準備・加工に優れた道具とは? 今回はITエンジニアがデータ分析する際のデファクトスタンダードになっている環境をセットアップしていきます。 - ITエンジニアがデータサイエンティストを目指すには?
それぞれの専門分野を生かした「データサイエンスチーム」を結成すればデータ活用への道は短縮できる。そのとき、ITエンジニアはどんな知識があればいい? データサイエンティストとして活動する筆者が必須スキル「だけ」に絞って伝授します。 - ビッグデータインフラのパズルを埋めるラインアップと「5つのシナリオ」
近いうちに多くの企業がビッグデータ活用企業になる――その時あなたの会社はどうする? 今年の「Information On Demand Conference Japan 2013」はビッグデータ活用をより手軽に、身近にするための情報が多数見られたようだ。