「俺たちのJavaは、まだまだこれからだ」未来の鍵はInternet of Thingsにあり?〜JavaOne 2013まとめレポート(前編)(1/3 ページ)
Java開発者の年次カンファレンス、JavaOne 2013がサンフランシスコで9月22〜26日に開催された。3つの基調講演、そして400を超えるセッションが行われるなど、圧巻のボリュームは、まさに「Java開発者の祭典」といえる。基調講演と主なセッション、全体の雰囲気を前中後編に分けてレポートする。
Java開発者の年次カンファレンス、JavaOne 2013がサンフランシスコで9月22〜26日に開催された。3つの基調講演、そして400を超えるセッションが行われるなど、圧巻のボリュームは、まさに「Java開発者の祭典」といえる。基調講演と主なセッション、全体の雰囲気を前後編に分けてレポートする。
いま“来てる”Internet of Thingsが未来のJavaの鍵を握る?
1日目を飾る基調講演はモスコーニ・センターで行われた。オラクルがサン・マイクロシステムズを買収して以降、JavaOneはOracle Open Worldと同時開催となっているが、昨年初日の基調講演はサンフランシスコ最大のコンベンションセンターであるモスコーニ・センターではなくメソニック・センターで行われたため、Java開発者は若干の疎外感を感じたのが正直なところだ。
“Vice President of Java Product Management”のPeter Utzschneider氏は「JavaOne初日の基調講演が、またモスコーニ・センターに戻ってきた!」と口火を切った。
今回は実に18回目のJavaOneとなり、5日間にわたるカンファレンスは400を越えるセッションで構成され、またコミュニティ主体の活動も数多く行われていることを強調した。
Utzschneider氏はJavaのエコシステムが順調に成長を続けている証しとしてコミュニティ、テクノロジー、そしてオラクル主導の3分野に分けて説明した。
世界中で増え続けるJavaコミュニティ
今回のJavaOneはメジャーリリースの「谷」に当たるタイミングでの開催となった。つまり、Java EE 7のローンチを6月に盛大に祝った後、言語レベルで大きな飛躍を遂げるJava 8のリリースは、まだ半年ほど先なので、正直派手な内容ではない。
しかしJavaユーザーグループが、昨年に比べて世界中で31も増えており、20を超えるユーザーグループが昨年ローンチした「Adopt-a-JSR」プログラムを通じてJSRに参画していることなどコミュニティベースの活動は着実に拡大しているようだ。
SNSの巨大トラフィックの制御に使われるJava
続いてインターネットの現状として「GO-Gulf.com」のデータを引用し、現在、世界で60秒間でシェア/検索されている情報の多さを、著名なSNSを例に挙げた。Twitterでは27万8000ツイート、Linkedinでは1万1000回の検索など驚くべき数字だが、多くのSNSをJavaテクノロジが支えているという。
いま“来てる”Internet of Things
また2012年の話と若干重なる話ではあるが、インターネットに常に触れている人間が増えているのに合わせて、インターネットに接続するデバイスは顕著に増加しているという。その理由はデバイスが安価になり、またパワフルになってきたことにある。
「インターネットに接続するデバイスを最近『Internet of Things』(以下、IoT)と呼ぶが、単なるバズワードではなく実際に『来てる』ものだ」(Utzschneider氏)
またUtzschneider氏は「参加者であるJava開発者たちにとって、そしてJavaコミュニティにとってIoTはゲームの方向性を変える動きだ」と唱えた。
「Javaは元来組み込みソフトウェア、ネットワーク、セキュリティに長けたプラットフォームであり、今後もJava開発者がこの大きなトレンドの移り変わりを難なく生き抜いていけるはずだ」(Utzschneider氏)
Internet of Thingsの応用例をJavaOneの会場で
IoTの応用実例として参加者は、すでにデモに参加していると、基調講演会場の入り口に備えられたゲートを紹介した。
このゲートは入場者を識別し、クラウドに送った後、集計して座席の埋まり具合をJava(おそらくJavaFX)で可視化するという技術を使って作られている。ゲートはJava SEで制御しており、単に通過する「物体」をカウントするのではなく、通過するものが人なのか、犬なのか、まで識別した上でデータをクラウドに送るそうだ(基調講演会場に犬を連れている人は見当たらなかったが小売店などで応用する上では重要だろう)。
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