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コラム

世界がフラットなら、楽園から世界を変えられるんじゃないか? 「Re:charge」プロジェクトの挑戦イベントレポート(3/4 ページ)

Web制作の現場は過酷、だけど、田舎に戻っても仕事があるかどうか……。そんなことを考えているうちに、また納期が迫り、今日も仕様の手のひら返しで残業? 「フラット化」した世界のノマドワークなら、そんなことを考える必要はないのかもしれない。

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小さく動けることの利点

 人口が少なく、行政の担当者や、地元経済界を支えるメンバーの「顔が見える」という状況も、少なからずメリットとなっている。

 「ちょっと役場にいって話をすることができる。市長も時間の都合がつけば気さくに会談できる。ビジネスの交渉も、顔が見える状況で進められるので、都市部の大組織を相手に書類の書式が、他の部門が、といった、いわゆるお役所的な手続きで苦慮することはない」(志水氏)

 “われわれはこうしたい。その代わり島の若者にこうして恩返しをするつもりだ。計画とビジョンはある。全体をハッピーにする場がほしいのだ”――実際はいろいろあるのかもしれないが、つまりはそれで話が進められるのが、人口5万人のこの島の利点であるという。


取材の移動中に通りかかった宮古島市役所にはシーサーが掲げられていた

 「宮古島は、例えば教育機関でのIT利用推進の実証実験に参加するなど、実は通信環境も良く、若年層のITスキルもある。一方で、雇用に関していえば、やはり一度島を出て就職するケースが少なくない。この土地で、地元の子供たちのITスキルが高まり、このコワーキングスペースを使って、地元で労働ができる環境ができる」(志水氏)

 志水氏は、宮古島にコワーキングスペースを作る一方で、そこに集まる技術者からのIT教育を充実させることで、将来的には地元でIT技術者として就業できる機会まで創出しようと考えている。


地元教育委員会は子供のITリテラシを高める教育活動に積極的だ。各中央省庁が現在、教育ITの普及に向けたプロジェクトを進めているが、これらにも積極的に手を挙げている。画像は、複数の学生が個々にタブレットを使い、いわば「寄せ書き」のように資料を作っていく作業中の様子だ。これも教育ITのための実証実験に参加して行っている

地元の中学生は、世界各国の学生とTV会議システムを使って学習をしている。英会話をネイティブに教わる機会もある。この画像は、宮古島市教育委員会 教育部長 田場秀樹氏が制作した成果発表の資料による

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