世界がフラットなら、楽園から世界を変えられるんじゃないか? 「Re:charge」プロジェクトの挑戦:イベントレポート(4/4 ページ)
Web制作の現場は過酷、だけど、田舎に戻っても仕事があるかどうか……。そんなことを考えているうちに、また納期が迫り、今日も仕様の手のひら返しで残業? 「フラット化」した世界のノマドワークなら、そんなことを考える必要はないのかもしれない。
プロジェクトの将来
Re:charge代表の志水氏は、現在、宮古島でのコワーキングスペース確保に尽力しているが、プロジェクトの最終目標はこれだけではない。日本国内はもとより、東南アジア地域を含めた地域活性化とITエンジニアのコミュニティ創出に向けた活動を続けるという。特に、英国領であった歴史のあるフィリピンには注目しているという。
「(フィリピンは)ITエンジニアからすると、ごく近い場所で英語習得のチャンスが得られる。また、宮古島同様、リゾートとしての地位も確立しており、保養のための環境も整っている。また、通信環境や物資面でも日本と変わらない環境を得られる。例えば日本で獲得した案件についてこの地域で働くことができれば、ITエンジニア側の労働環境として抜群であることはもちろん、彼らのスキルを地域貢献に生かすこともできると考えます」(志水氏)
Splasssh in Miyakojima開催レポート
Splasssh in Miyakojimaのイベントは、宮古市内にあるブックカフェを利用して行われた。地域の子どもたちが制作した作品が並ぶ会場には、Re:chargeプロジェクトに賛同して参加したWeb制作関連の技術者・デザイナーらの他、地元商工会議所の面々も見受けられた。
イベントのオープニングは、アンティー・ファクトリーの代表 中川直樹氏だ。ビジネスの付加価値としてのWeb・ITの在り方を考えるべく「スマートデバイス時代の地域ワクワクイノベーション」と題した発表を行った。
「みんなのビジネスオンライン」を運営するKDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 副本部長 神森勉氏は、小規模な商店などでは、いまだにWebサイトを持たない場合も少なくない事を指摘。スマートフォンやパソコン、タブレットを持ち歩くのが当たり前になった今、要件を思いついた際に「まず検索」する行動が当たり前になりつつあることから、地方の中小事業主のWebサイト立ち上げ支援サービスを立ち上げた経緯を説明した。
神森氏のプレゼンテーションを受け、「ケータイの世界、スマホの世界では、Webサイトを持たない事業主は存在しないのと同じ。いまは、個人でも比較的簡易で安全に、事業紹介などが行える環境が整っている」と語るのは、CSS Nite in SAPPOROの実行委員でもあるサイバーガーデン益子貴寛氏だ。自身が関わった案件を基に、「すぐにできること」を中心に、手法を分かりやすく解説してくれた。
イベントの最後は、本稿で紹介したRe:chargeの代表である志水氏が、同プロジェクト立ち上げの思いを発表したプレゼンテーションには、会場から激励の拍手が沸き起こった。
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