到着まで3分――アプリを通じたバイク型救急コミュニティが、1年間で20万7000人の命を救う:太田智美のビビビ「TEDTalks」ピックアップ!
「TEDTalks」の中から、編集部の太田が「ビビビ」と感じた動画をピックアップし、不定期に紹介する企画。今回取り上げる動画は、「The fastest ambulance? A motorcycle」だ。
本連載では、TED(「Technology Entertainment Design」の略)が主催するカンファレンスの講演動画「TEDTalks」の中から、編集部の太田が「ビビビ」と感じた動画をピックアップし、紹介していきます。
「The fastest ambulance? A motorcycle」
17歳のエリ・ビア(Eli Beer)氏は、イスラエルで15人の友人とボランティアを始めた。救急医療技師のコースを取得した彼らが生み出したボランティアとは、緊急事態が起こったときに一刻も早く患者の元へ駆け付け、救急車が来るまで救命救急処置を行うというものだ。
これまで、イスラエルでは救急車が渋滞に巻き込まれ、到着が遅れた結果救えない命が多くあった。しかし、彼らのちょっとしたアイデアとテクノロジの力で、そうした命を救えるようになった。そして、この試みを始めてから22年たった今、現場まで何十分もかかっていた救急隊の到着時間を平均3分に縮めることに成功している。
成功のカギは、3つある。ビア氏らが作ったボランティアコミュニティ「Hatzalah」と、患者とHatzalahをつなぐスマートフォンアプリ「NowForce」、そして四輪車よりも身軽に動くことのできる「救急バイク(Ambucycle)」の存在だ。電話をすると、NowForceによって現場の近くにいる5人のボランティアに連絡が行き、ボランティアたちは全てを投げ出してコミュニティが用意している救急バイクで現場に向かう。
人種、宗教、出身国などに一切関係なく行われるこのボランティアシステムは、イスラエルをはじめ、東エルサレム、パナマ、ブラジル、オーストラリア、メキシコなど、今や世界に広がり、毎日約500人のボランティア対応しているという。ビア氏は言う――「必要なのは、私のように少しクレイジーなパートナー。宗教も、どこのどんな人かも関係ない。救われなかったかもしれない何百万人もの命を、救えるかもしれないのだから」。
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