HTML+JavaScriptでWindowsストアアプリを作るための基礎知識:HTML5で業務向けWindowsストアアプリ開発入門(1/2 ページ)
本連載では、Webデザイナー/開発者に向けて、Windowsストアアプリの特徴と簡単な開発ノウハウを説明していきます。初回は、WebデザイナーがWindowsストアアプリを作れるとよい理由と、Windowsストアアプリの特長、HTML5+JavaScriptで開発する際の注意点、開発環境などについて。
WebデザイナーがWindowsストアアプリを作成できる時代へ
「Web制作のプロフェッショナル」と聞いて、まず思いつくのが「Webデザイナー」という方も多いのではないでしょうか?
以前は、パソコンや携帯電話向けのコンテンツを作成していたWebデザイナーも多かったと思いますが、昨今、スマートフォンやタブレットを活用する人も増え、Webサイトをさまざまなデバイスで閲覧するのが当たり前の時代に突入しています。
ただ、デバイスに応じたWebサイトのチューニング分野で一定の需要はあるものの、ここ十数年でホームページを所有していない企業が減ったことで、Webデザイナーにとって実入りの良い新規受託案件が減ってきているという実情があります。
Webデザイナーが、Webサイト以外の新たなリソースをデザインする時代に突入したと言っても過言ではありません。
Windowsストアアプリの概要
そんな新たなリソースとして注目されているのが「Windowsストアアプリ」です。最近、「Windowsストアアプリ」というアプリケーションを耳にする読者も多いと思います。WindowsストアアプリとはWindows 8/Windows 8.1搭載のPCや、Surfaceをはじめとしたタブレットデバイスに搭載されている新しいアプリケーションの形式です。
主に以下のような特徴があります。
- スタート画面から起動する
- 従来のデスクトップアプリケーションのように、「窓」を使って操作しない(タイトルバーや閉じる、最小化といったボタンが標準で用意されていない)
- タブレット端末操作が容易にできるインターフェース
- 見た目に分かりやすいフラットデザインを基調としたインターフェース
なぜ、WebデザイナーがWindowsストアアプリを作れるとよいのか
また、Windowsストアアプリは、Windowsデスクトップアプリケーションの開発でも使用されているVisual BasicやVisual C#、Visual C++の他に、HTMLとCSS、JavaScriptを使って作成できるという特長があります。
これは、Webデザイナーが過去の経験やナレッジを生かしてWindows上で動作するアプリケーションをそのままデザイン/作成できる、Webデザイナーを生業としてきた人たちにとって、新たなビジネスチャンスが生まれたといえるでしょう。
例えば、業務向けアプリケーションの開発といえば、これまでWindowsのデスクトップアプリケーションが主流でしたが、Windowsストアアプリの登場によって業務向けアプリケーションの開発の新規受託案件をWebデザイナーが獲得できる機会が増えるのではないでしょうか。
またWindowsストアアプリは、作成するためのツールや開発環境を簡単に用意できるため、自身で作成したWindowsストアアプリを販売したり、アプリの中に広告を埋め込むことでインプレッション課金収入を得たりすることもできるため、まさに、Webデザイナーが次のビジネスチャンスを生かすための重要なマーケットであるといえます。
本連載の概要と対象読者
そこで本連載では、プログラミングの経験の浅い方やWebデザイナーを生業としている人たちに向けて、Windowsストアアプリを簡単に作成するためのノウハウとWindowsストアアプリの特徴などについて、説明していきます。
対象読者は以下を想定しています。
- HTML+CSSまたはHTML5+CSS3を使ったWebサイト/ホームページの作成経験のある方または同様の知見がある方
- JavaScriptまたはjQuery、JSONの知見がある方
作成経験は、簡単なWebサイトでも作成した経験があれば良いです。また、あまり作成経験がなくても、ある程度インターネットサイトなどを通じて調べながら作成できる知見があれば問題ありません。
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