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企業ITでワクワクし続けたいから、やっていることAWSの企業ユーザー会E-JAWS会長、三井物産の黒田晴彦氏

2013年11月に発足したAmazon Web Servicesの日本における企業ユーザー会、E-JAWS。その会長である三井物産 IT推進部副部長の黒田晴彦氏は、アイディアを持ち寄ることで、各人の属する企業がITをさらに活用して差別化していける、そういう場を提供したいと話す。

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 三井物産 IT推進部副部長の黒田晴彦氏に、企業における情報システム担当部署のあり方についてたずねると、「ワクワク」「幸せ」「ラッキー」「面白い」といった言葉がポン、ポンと飛び出してくる。同氏は、今後企業においてITの役割はどんどん大きくなっていく、それに関われる立場にいるのは「ワクワク」「幸せ」「面白い」「ラッキー」なことだと話す。


三井物産 IT推進部副部長の黒田晴彦氏

 黒田氏は、Amazon Web Services(AWS)の日本における企業としてのユーザーの集まりであるE-JAWS(Enterprise Japanese AWS User Group)の発足のきっかけをつくった。その発端は、「(AWSを使っている)他の人々と話すと、新たな発見がある」ことだったという。

 一般企業のクラウドサービス(特にIaaS)利用を考えるとき、情報システム部が運用してきた既存の業務システムやデータを前提とし、どれを社内で運用し続けるのか、クラウドに移すのか、どちらの運用コストが安いのかといった議論になってしまいがちだ。しかし黒田氏は、そうした枠から外れたところに、ITのビジネスへの貢献の未知の可能性が大きく広がっていると考えている。

 クラウドサービスでは必ずしも大きなコストや時間を掛けることなく、何らかのアプリケーションを立ち上げることができる。ちょっとした問題を解決するために、比較的気軽にシステムをつくれるようになる。つまり、従来はITシステムによる解決の対象にできなかったことも、解決しやすくなる。また、情報システム部だけでなく、ビジネス部門が自らクラウドサービスを使って、業務上の問題を解決する例も出てきている。

 E-JAWSでは、まずユーザー組織同士の情報交換を進めたいという。「自分で、あるいは一企業でこうした使い方をすればいいと思っても、もっといい使い方があるかもしれない。どう使ったらいいかについて、他の人たちと意見交換ができれば、参加者全員にとってメリットがある」(黒田氏)。

 E-JAWSは、個人をメンバーとするAWSの他のユーザー会と異なり、企業・組織単位で加入する形をとっている。企業の情報システム部とビジネス部門の担当者が一緒に参加することも可能で、ビジネス部門の人にも自らのAWS活用方法を話してもらいたいという。


IT INSIDER No.26「企業のITキーパーソンが語る、クラウドとの付き合いかた」では、企業とクラウドサービス、今後の情報システム部のありかたなどについて、黒田氏に聞きました

 「ビジネス部門の話を聞けるということは、『自社のあのビジネス部門にも使えるかもしれない』というヒントになる。ユーザーが先行し、それに対してリアクティブに動く情報システム部ではなく、プロアクティブに情報を収集して、企業として誰よりもいい仕組みを、だれよりも早く、安く実現できる、ということを提案できる情報システム部になっていきたい。そのためにE-JAWSのような場がうまく使えたらと思っている」(黒田氏)。

 E-JAWSは、「クラウド導入運用による新しい情報部門の役割について議論・検討」するということを、活動内容の1つに挙げている。黒田氏は、情報システム部に今後求められる役割が何かは分からない、と率直に話す。しかし、ビジネス部門の人々も巻き込んでさまざまな企業が、クラウドを通じたIT活用の可能性について一緒に議論することが、情報システム部の役割を考えることにもつながる、と話している。

 黒田氏がクラウドサービスの可能性、ビジネス部門と情報システム部の関係、今後の情報システム部の役割などについて語った内容を、 IT INSIDER No.26「企業のITキーパーソンが語る、クラウドとの付き合いかた」にまとめました。AWSに関心のない読者の方々にも興味深い内容です。ぜひご一読ください。

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