Mozillaの「Persona」、普及進まずコミュニティ主導に:複雑な機能が分かってもらえなかった?
Mozillaが、ログイン認証システム「Persona」プロジェクトをコミュニティ主導にトーンダウン。当面のサポート継続は表明している。
Mozillaは2014年3月7日、パスワード不要のログイン認証システム「Persona」のプロジェクトをコミュニティ主導に切り替えると発表した。フルタイムでPersonaに取り組んでいたMozillaのデベロッパーは、別のプロジェクトに振り向ける。
Personaはより安全で使いやすく、プライバシーに配慮した認証システムを目指して開発が進められてきた。しかしさまざまな理由から、「我々が望んだほどには普及しなかった」とMozillaは説明する。
具体的には、Firefoxのユーザーベースを活用できなかったことや、大手サイトに採用されなかったこと、競合する「Facebook Connect」のようなインセンティブを提供できなかったなどの理由が挙げられている。また、「ユーザーが望まない複雑な機能(セッション管理)を組み込んだため、使用や理解が難しくなった」と振り返った。
これまでPersonaを担当していたMozillaアイデンティティチームの担当者は、より優先度が高いと判断した「Firefox Accounts」や「Sync」といったクラウドサービスプロジェクトに配置替えしているという。
それでもPersonaを打ち切る予定はないとMozillaは強調し、コミュニティ主導になってもサポートは継続すると説明。重大なバグの解決やサービス障害、セキュリティ問題についてはMozillaのスタッフが引き続き対応するほか、新設のネットワーク運営センターでPersonaのインシデント対応を担うなど、「PersonaはMozillaのインフラの重要な一部であり、メンテナンスモードに入っても、責任を持ってPersonaの管理に務める」と表明した。
もし打ち切りを検討する場合は事前に十分な告知期間を設けるが、2014年中に打ち切ることはないと言明している。
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