初めての「アーキテクト」体験:あるエンジニア、かく語りき(3)(1/3 ページ)
アーキテクトとは、アーキテクトのように考え、アーキテクトのように振る舞う人のことである…… って、分かるような分からないような……。
こんにちは、松坂です。年始早々、仕事が忙しくて間が空いてしまいました。引き続きよろしくお願い致します。
前回は「はじめてのリーダー」経験について書きました。今回は多少視点を変えて、「プログラマー」から「アーキテクト」に職種が変わったころのことを書きます。これは私にとって大きな転換点となりました。
※なおここで書いているアーキテクトという用語は、2007年当時、私が働いていた会社での文脈で使っています。
職種変更は突然やってくる
きっかけは新卒2年目の終わりくらいにやってきました。私は当時、二次受け中心の中堅システムインテグレーターに勤めるJavaのプログラマーでした。入社してすぐに配属されたプロジェクトが失注したため、幾つかの現場を転々とする若手主体のフラフラ組の一員となっていました。
ある日、レポートライン上で私の上司となっている人(仕事上の関わりは一度もなかった)が、私が常駐している客先のオフィスにやってきました。
「松坂くん、アーキテクトって興味ある?」
「何か分からないですが、格好いいですね」
当時、世間ではアーキテクトという言葉がバズっていました。Google トレンドによると、2005〜2008年くらいが旬だったようです。すでに休刊してしまいましたが、「ITアーキテクト」(IDGジャパン)もそのころ創刊しましたね。
@ITなどのメディアや雑誌でも、特集が頻繁に組まれていたのを覚えています。多くは「アーキテクトとは何か」というものでした。そして多くの場合、人によって言っていることがバラバラでした。
私にしても、上司にしても「アーキテクトとは何ぞや」なんて明確なイメージは持っていなかったと思います(何となく“超すごい人”だとか、“大企業だけに生息している”とか想像していました)。その場は雑談以上のことはなく「そうかぁ、アーキテクトに興味があるかぁ」と上司は帰っていき、私はすぐにそのことを忘れました。
しばらくして、アーキテクトの名を冠する部署が設置され、私はそこへ所属することになりました。私は自社の「アーキテクトチーム第一世代」となったのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.