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Nginxのインストールと基本設定これから始める人のためのNginx(2)(1/4 ページ)

処理能力の高さなどを理由に、近年、大規模サイトを中心に急速にシェアを拡大しているWebサーバー「Nginx」について紹介します。連載第2回では、インストール方法と基本的な設定内容を解説します。

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連載目次

Nginxのインストール手段

 Nginxをインストールする方法は主に2通りあります。ソースファイルをビルドする方法とバイナリパッケージを利用する方法です。

 ソースファイルを使ってインストールすると、無駄なモジュールを省いてバイナリを最適化できたり、インストールパスや設定ファイルのパスをカスタマイズできたりしますが、開発環境を用意する必要があります。

 バイナリパッケージを使えばインストールやアップデートが手軽に実行でき、ディストリビューションのパッケージツールで一元管理できますが、バイナリの最適化やインストールパスのカスタマイズはできません。

 用途に応じた適切なインストール方法については表1を参考にしてください。ただ、一般的なWebサイトならバイナリパッケージで十分でしょう。

インストール方法 長所 短所
パッケージを利用 ディストリビューション提供パッケージ インストールやアップデートが手軽に実行できる、ディストリビューションのパッケージユーティリティで一元管理できる バージョンが古い
Nginx公式パッケージ インストールやアップデートが手軽に実行できる、ディストリビューションのパッケージユーティリティで一元管理できる、最新バージョンをインストールできる リポジトリを追加する必要がある
ソースファイルをビルド 無駄なモジュールを省いてバイナリを最適化できる、インストールパスや設定ファイルのパスをカスタマイズが可能 開発環境を用意する必要がある、ディストリビューションのパッケージ管理ツールが使用できない
表1 各インストール方法の特徴

 なおバイナリパッケージには、Linuxディストリビューターが提供しているものと、Nginx社が提供している公式なものの2種類があります。

 Linuxディストリビューションのバイナリパッケージはコマンド1つでインストールできますが、バージョンが古い場合があります。リポジトリを追加するなど少々手間がかかりますが、最新バージョンを使用するには、公式パッケージを利用します。

Nginxのバージョン

 Nginxにはオープンソース版と商用版のNginx Plus(注1)があります。オープンソース版としては、2014年7月現在、下記の3バージョンか配布されています。

・Mainline version(最新版)

 最新の機能が盛り込まれたバージョン

・Stable version(安定版)

 バグ修正やセキュリティ対応のみ行われているバージョン

・Legacy version(レガシー版)

 開発が終了した旧バージョン

 Mainline versionは本番サーバーに使用しても問題のないよう十分テストされており、最新機能が不要な場合でもMainlineを利用することが推奨されています(注2)。ただし、偶発的な不具合さえも許されないミッションクリティカルな用途では、Stable versionを選択してください。

 Nginxをバイナリパッケージでインストールする場合、Linuxディストリビューションによっては、Stable versionかLegacy versionしか用意されていないケースがあります。そうしたケースではNginx社の公式パッケージを使ってMainline versionをインストールします。

注1:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1406/18/news043.html参照

注2:Nginx社の共同創設者でCTOを務めるイゴール・ソシエフ氏が2014年6月18日に開催された「Nginxユーザ会 #0」の場で公言しています。


Nginxのインストール

 では、Nginxのインストール方法を以下の3パターンに分けて解説します。この記事では、Ubuntu 14.04とCentOS 6.5の2つのプラットフォームを例に挙げて説明します。なおRed Hat EL(以降、RHEL)についても一部補足します。

  • ディストリビューション提供パッケージを利用する場合
  • Nginx公式パッケージを利用する場合
  • ソースファイルをビルドする場合

注意事項

今回の記事で紹介しているソフトウェアやディストリビューションのバージョンは2014年7月時点のものです。コマンド実行では、「$」プロンプトを一般ユーザー権限によるもの、「#」プロンプトは管理者権限によるものとしています。CentOSでは「su」コマンドで事前に管理ユーザーにスイッチしておき、Ubuntuでは各コマンドの前に「sudo」を付けて実行します。


ディストリビューション提供パッケージを利用する場合

 ディストリビューション標準パッケージならば、複雑な手順を踏まなくても、コマンド1つでオンラインインストールできます。ただしバージョンが古く、2014年7月現在、Ubuntu 14.04に用意されているのはNginx 1.4.6です。CentOS 6.5に至ってはディストリビューション標準パッケージが用意されていません。

・Ubuntu 14.04の場合

 パッケージをapt-getコマンドでオンラインインストールし、設定ファイル(/etc/nginx/nginx.conf)の修正後、Nginxを起動します。設定ファイルの修正方法については記事後半で解説します。

$ sudo apt-get install nginx	←インストール
$ sudo service nginx start	←サービス開始

 サーバー起動時に自動的にnginxサービスを開始するには、次の手順で起動スクリプトを登録します。

$ sudo update-rc.d nginx defaults

 インストール作業は以上です。Webコンテンツを置くドキュメントルートは「/usr/share/nginx/html/」ディレクトリになります。

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