サイオス、商用版Nginx「NGINX Plus」の販売を開始:国内のコミュニティ活動も支援
サイオステクノロジーは米Nginxと販売パートナー契約を結んだ。2014年7月1日から商用版「NGINX Plus」の国内販売とサポートサービスの提供を開始する。
サイオステクノロジーは2014年6月17日、高速・軽量を特徴とするWebサーバーソフトウェア「Nginx」の開発元である米Nginxと販売パートナー契約を結んだことを明らかにした。2014年7月1日から、Nginxをベースにいくつかの拡張機能を搭載した商用版「NGINX Plus」の国内販売とサポートサービスの提供を開始する。
Nginxは、Nginx社の共同創設者でCTOを務めるイゴール・ソシエフ氏が2004年に開発したオープンソースのWebサーバーソフトウェアだ。ソシエフ氏いわく、Nginxは「Apacheの限界を超えるために開発したもの」で、分散アーキテクチャに基づく高い拡張性、低い遅延性などを特徴としている。負荷が集中したときでも高いパフォーマンスを実現することから、Eコマースサイトやゲームサービス、あるいはSNSや動画サイトなどスケールアウト型のWebサービスを中心に採用が進み、今では約1億4000万サイトで利用されている。Amazon Web Serviceなどクラウド環境での導入も多いということだ。
オープンソース版のNginxは、Webサーバーとしての役割に加え、リバースプロキシやロードバランサー、SSLターミネーション、SPDYゲートウェイといった機能も備えている。商用版のNGINX Plusはさらに、接続先アプリケーションのヘルスモニタリングや動的な設定変更といった拡張機能を搭載。「数千インスタンスクラスの大規模Webシステムに求められる高度な管理や可視性といった機能を備えている」(NginxのCEO、ガス・ロバートソン氏)。Nginx開発チームによるサポートも付属する。
サイオステクノロジーでは日本語によるテクニカルサポートとともに、商用版であるNGINX Plusの国内販売を開始する。また、ユーザーコミュニティの「日本Nginxユーザ会」を支援し、日本語による技術情報の蓄積、交換を積極的に後押ししていく。
同社は以前から、Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアを用いたシステムの設計や運用、サポートサービスを企業向けに提供してきた。「Netscape Navigatorが世に出てからちょうど20年経つ。この間、Webがメインストリームになり、Webにアクセスするデバイスがどんどん増え、データ量も増し、さらなる高速処理が求められている」(サイオステクノロジー 代表取締役社長 喜多伸夫氏)。こうしたニーズに応え、日本国内で安心してNginxを利用できる環境を提供することを目的に、Nginx社との提携に至ったと説明した。なお、NginxはApacheなど既存のWebサーバーを全て置き換えるものではなく、リバースプロキシとして既存のWebサーバーと共存することも可能という。
Nginxのライセンス価格はオープンプライス。サイオステクノロジーによると、米国での価格(1350ドル)を参考に、「数十万円、それも低い方」となる見込みという。
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