第1回 アプリの運用監視サービスとは? New Relic vs. Application Insights:連載:アプリケーションの運用監視(2/6 ページ)
正式にリリースしたWebサイトが正常に稼働しているかを常時監視するなら、SaaS型の監視サービスが便利だ。お勧めの2大サービスの機能概要を解説する。
Application Insightsとは
Application Insightsとは、マイクロソフトからVisual Studio Onlineの1サービスとして提供されているモニタリングサービスだ。現時点ではプレビューだが、マイクロソフト製品以外のソフトウェアもサポートされている。使用にはMicrosoft Azure(以下、Azure)のアカウントが必要となる。Visual Studioを使用して開発している場合、Visual Studio 2013 Update 3に更新しておけば、簡単に設定でき、一部の機能はAzureの新ポータルから管理することもできる。差分を以下にまとめる。
Visual Studio 2013 Update3 | Visual Studio 2013 Update2 + 拡張機能 | |
---|---|---|
アカウント | Azure | Visual Studio Online |
ポータル | Azure新ポータルでも可能 | Azure現行ポータルとVisual Studio Onlineを併用 |
Visual Studio統合 | Update3に統合 | 拡張機能でサポート(※) |
SDK | 0.10 | 0.8 |
Windows ストア/Windows Phoneのサポート | 現時点では未サポート | あり |
ログコンテナサポート | あり | なし |
※:Application Insights Tools Visual Studio
Application Insightsには、Azureの新ポータルか、Visual Studio OnlineのポータルからApplication Insightsのポータルにアクセスする。それぞれのアクセス方法を説明しよう。
Visual Studio Onlineのポータルからアクセス
以下の画面はVisual Studio Onlineのポータルからアクセスする方法だ。
Visual Studio OnlineからApplication Insightsへアクセス
(1)Visual Studio OnlineからApplication Insightsポータルの起動。
Azureの新ポータルからアクセス
Azureの新ポータルでは[BROWSE]タブにある[Application Insights]を選択すると、登録済みのApplication Insightsで監視しているWebサイトおよび、アプリケーション一覧が表示される。Azure新ポータル画面からWebサイトの監視設定を追加する場合、[NEW]ボタンから[Application Insights]を選択する。
本連載ではVisual Studio Onlineからアクセスする例を紹介する。
両サービスの料金について
New RelicではモバイルアプリとWebアプリで価格が異なっている。詳細については以下のURLを参照してほしい。
以下の表に価格を一覧する。
Lite | Pro | Enterprise | |
---|---|---|---|
Web | 無料 | $149(サーバーごと) | 問い合わせ |
モバイル | 無料 | $29(アプリごと) | 問い合わせ |
New Relicの料金体系 |
エディションごとのサーバーアプリとモバイルアプリそれぞれのサポート/機能は次のようになっている。
Lite | Pro | Enterprise | |
---|---|---|---|
Web | ・24時間のログ ・サポートはフォーラム |
・無制限のログ ・トランザクション追跡 ・複数のアプリの追跡 ・上位のサポート |
・無制限のログ ・担当者とSLA保障 ・シングルサインオンサポート ・最上位のサポート |
モバイル | ・24時間のログ ・アクティビティサマリー ・性能警告 |
・1週間のログ ・HTTPレスポンスとエラー状態 |
・3カ月のログ ・より詳細なトレース ・デバイス/OSごとの情報 ・バージョン/地域ごとの比較 |
New Relicのサポート体系 |
Application Insightsは現在プレビュー版ということもあり、執筆時点においては無料で使用可能だ。特に使用上の制限は確認できていないが、正式版のライセンスではどうなるか分からないため、正式版公開時には注意してほしい。Application Insights自身の障害情報は以下のブログで告知されている。定期的なメンテナンスの他、突発的な問題も報告されるため、確認しておいてほしい。
サポート対象プラットフォーム
New Relicのサポートプラットフォームは以下の通りだ。非常に多くのプラットフォームがサポートされている。
サーバーアプリでは、以下のプラットフォームがサポートされている。
- Ruby
- Java
- Python
- .NET(Azureも含む)
- PHP
- node.js
モバイルアプリでは、以下のプラットフォームがサポートされている。
- iOS
- Android
- Titanium Mobile(ただしiOSとAndroidのみサポート)
New RelicでAzure Webサイトのモニタリングを行う場合、Azureポータルのギャラリーから追加できる。詳細は以下のURLを参考にしてほしい。
Application Insightsのサポートプラットフォームは以下の通りだ。
- Windows Phone
- Windowsストアアプリ
- Java
- Azureクラウドサービスおよび、Azure Webサイト
- ASP.NETアプリ
- Windowsサーバー
New Relicと比べて少ない。現時点ではJavaや.NETのように重複するところもあるが、WindowsストアアプリはApplication Insightsのみ、node.jsやPHPアプリでは必然的にNew Relicを選ぶことになる。サポート範囲のプラットフォームは将来的にはどちらのサービスでも同じ機能が使用可能になるかもしれないが、現状では監視したいアプリの種類および、料金に応じて選べばよい。
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