第4回 TFVCとGitのデプロイ、ビルド、テスト:連載:TFVC vs Git(3/8 ページ)
今回はVisual Studio Onlineの新しいビルドシステムを使って、ソースコードをコミットしてからビルド/テスト/デプロイまでを自動的に行う方法を見る。連載完結。
ビルド実行時マクロ展開値の指定
[Variables]タブでは、ビルド実行時に使用するマクロや変数の値を指定できる。
[Variables]タブではビルドテンプレート内で使用するマクロの値を指定する
(1)VS Onlineのホストエージェントもしくは、エージェントで定義される値一覧のページへのリンク。
(2)VS Onlineであらかじめ指定されている固定情報。
(3)定義済みの値を削除する。
(4)「$(BuildConfiguration)」マクロに置換される値。カンマ区切りで「debug,release」というように複数の値を指定することもできる。
(5) 「$(BuildPlatform)」マクロに置換される値。カンマ区切りで「any cpu,x64」というように複数の値を指定することもできる。
(6) 新しいマクロ置換する値を追加する。
[Variables]タブではビルドテンプレート内で使用するマクロと置換される値を指定できる。既定のテンプレートではBuildConfigurationマクロとBuildPlatformマクロが定義されており、それぞれVSの構成マネージャーで指定する構成とプラットフォームの値に対応する。
具体的にはBuildConfigurationマクロにはVSの構成の「debug」、もしくは「release」を指定することにより、VSで作成したビルド構成を指定できる。カンマ区切りで複数の値を指定することもできる。複数の値を指定した場合、[Options]タブの[MultiConfiguration]チェックボックスをチェックすることで、複数の組み合わせのビルドを一度にビルドすることが可能だ。
BuildPlatformマクロでは「x86」「x64」「any cpu」といったターゲットのプロセッサー種別を指定する。BuildPlatformマクロとBuildConfigurationマクロは既定のビルドテンプレートで指定されているため、特別な理由がない限り、削除してはならない。
ビルド処理中に特定の条件を指定したい場合は[Add variable]リンクをクリックして、表示されたテキストボックスに条件を追加すればよい。
ビルドトリガー設定
[Triggers]タブでは、ビルドを実行するタイミングを指定する。
[Triggers]タブではいつビルドを実行するかを指定する
(1)継続的インテグレーションを有効にする(既定では無効)。このチェックボックスをオンにすると、コミットもしくはチェックインのたびにビルドが実行されるようになる。
(2)このビルドが複数のクライアントから同時に要求された場合、逐次ビルドを行う。
(3)継続的インテグレーションの対象、対象外フォルダーを削除する。
(4)継続的インテグレーションの対象になるフォルダー、対象外にするフォルダーを指定する。
(5)新しいフィルターを追加する。
(6)指定日時のビルドを有効にする(既定では無効)。
(7)スケジュールを追加する。
(8)ビルドを開始する時刻と曜日をタイムゾーン含めて指定する。
(9)指定したスケジュールを削除する。
このタブではビルドトリガーを指定する。[Continuous integration (CI)]チェックボックスをチェックすればチェックインやコミットをするごとにビルドが実行される継続的インテグレーションが行われる。[Scheduled]チェックボックスをチェックすれば、指定した日の指定した時間にビルドが行われる。
継続的インテグレーションでは複数の開発者がチェックインすると、同じビルドが実行されてしまい、トラブルになることもある。期待通りビルドするために、継続的インテグレーションを使う場合は[Batch Changes]チェックボックスをチェックしておこう。このときにはもちろん逐次ビルドが実行されるため、並列で実行されるよりも時間はかかる。
XAMLビルドでは継続的インテグレーションと定期ビルドで異なるビルド定義を用意する必要があったが、新しいビルドシステムでは一つのビルド定義で両者を実行できるようになったので、効率的だ。
ビルドエージェントの設定
[General]タブではビルドエージェントの設定を行う。
[General]タブではビルドエージェントなどの設定を行う
(1)ビルドを行うエージェントプールを指定する。
(2)ビルドエージェント一覧を更新する。
(3)ビルドエージェントプール管理画面に移動する。
(4)ビルド結果に表示するビルド詳細情報。ビルド結果のページの下に表示される。
(5)ビルド結果の命名規則。
(6)ビルドジョブが使用可能な認証範囲。
(7)ビルドの上限時間を分単位で指定する。指定以上の時間になったら、タイムアウトと見なす。
(8)外部のサイトにビルド状態を公開するバッジを有効にするかどうか。
(9)ビルドエージェントで必要な定義一覧。
(10)ビルド実行時に必要な環境変数を追加する。
[General]タブではビルドエージェントに関わる設定を行う。特に一番下にある[Demands]以下の項目はどのビルドエージェントを使用するか判定するための条件になるので、注意してほしい。ビルドエージェントはそれぞれ固有の設定を持っており、基本は環境変数の設定を参照している。
ソフトウエアによっては環境変数を設定しないものがあるため、ビルドエージェントの設定で指定しておく必要がある。設定方法は後述する。
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