検索
連載

Interop Tokyo 2026で出会える最新プロダクト ITインフラ&ネットワーク編Interop Tokyo 2026で出会える最新プロダクト(1)

2026年6月10〜12日に開催のInterop Tokyoでは、AIをきっかけとして急速に変化するITインフラ、ネットワーク、セキュリティの現在を垣間見ることができる。本稿はその前編として、ITインフラ、ネットワークの展示製品を一部紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 2026年のInterop Tokyoは、6月10〜12日に幕張メッセで開催される。同イベントで見られるプロダクトのほんの一部を、Best of Show Awardエントリー製品の中からピックアップして紹介する。セキュリティ製品については続編で紹介する。

データセンターの課題に応える技術

 日本のデータセンターにおいて、液体冷却が本格的な普及期を迎えている。生成AIの爆発的な普及に伴い、急速に実用化・商用化が進んでいる。

 レノボ・グループ/モトローラの「Lenovo ThinkSystem SC750 V4 Neptune/Lenovo ThinkSystem N1380 Enclosure」は、ブレードサーバのような仕組みで、サーバと水冷を一体導入できる製品だ。

 Lenovo ThinkSystem N1380は19インチラックに収まる13Uのエンクロージャー(シャーシ)。これにThinkSystem SC750 V4のトレイを最大8枚挿すことができる。1トレイ当たり2基のサーバノードが搭載されるため、13Uで16サーバが構成可能だ。

 N1380に冷却水の循環パイプを接続すれば、SC750 V4を挿すことで直接冷却できる。熱回収効率は100%、つまり空冷を完全に排除できるという。また、最高45℃の温水で運用できるため、冷却のために使う電力を減らせる。純水にも対応している。

 レノボはこの冷却システムに収容するサーバの新機種としてSC750 V4を投入した。インテルXeon 6900Pシリーズ最大128コアを1サーバ当たり2基搭載可能、メモリは3TBを搭載できる。13Uサイズのエンクロージャー1基に最大4096コア/48TBメモリを搭載できることになる。

 一方、「コンポーザブルアーキテクチャ」「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」と呼ばれるような分散コンピューティングを目指した製品を、富士通とNECが展示している。

 富士通/エフサステクノロジーズの「PRIMERGY CDI V2.0」は、GPUやSSD、メモリなどのリソースをプール化し、必要な時に必要なリソースを活用する仕組みのバージョン2。

 今回は、メモリリソースを複数のサーバに柔軟に割り当てられる機能やワークロードの負荷に応じて自動的にGPUを増減する機能を追加した。

 NECの「NEC Composable Disaggregated Infrastructureソリューション」は、GPUを特定サーバやラックに固定せず、汎用Ethernetで最長約2kmまで離して接続でき、データセンター全体で再配置できる点が強みだという。設備更新をサーバにひも付けず、デバイス単位で行えるため、初期投資を抑えつつ段階的な拡張が可能だと訴えている。

データセンタースイッチは広帯域化、多ポート化が進む

 データセンターでは、特にAIトレーニングのためのGPU間の大量データ通信ニーズから、スイッチの高帯域化と多ポート化が急務になっている。

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)が展示する「QFX5250-64OE-L」はAIデータセンター向けのスイッチ。「Broadcom Tomahawk6」を採用し、1.6TbpsのEthernetインタフェースが64ポートの構成で最大102.4Tbpsの高帯域を実現する。Open Compute Projectが提唱するOpen Rack V3に準拠。液冷に対応する。

 同じくHPEの「Juniper PTX10002-60MR ルータ」は800G×12+100G×48というマルチレート構成を採用。既存の100Gbps資産との共存を保ちながら800Gbps時代への移行を可能にしている。

 シスコシステムズはデータセンター向けに「Cisco Nexus 9164E-NS4-O Switch」を出展する。「NVIDIA Spectrum-4」を搭載した800Gbps×64PortのEthernetスイッチで、NVIDIAの検証済みアーキテクチャに完全準拠。NxOSを搭載し、自動プロビジョニングや、Ansibleなどのツールとの高度な統合が特徴という。

 同じくシスコの「Cisco Smart Switch C9550シリーズ」はハイパースケールデータセンター、キャンパス、エンタープライズ向けのコアスイッチ。「Cisco Catalyst 9500シリーズ」から改称されている。

 新たに2Uモデルが追加され、50Gbpsを最大96ポート、400Gbpsを最大4ポートの構成が可能。将来的にはeBPFベースの制御を活用した動的なシステム保護を実装する予定だという。

Wi-FiではWi-Fi 8対応をうたう製品も登場

 Wi-FiではWi-Fi 7が主流だ。インテリジェントな電波制御による設置や運用の簡素化とコスト抑制を訴える製品が目立つ。

 シスコの「Cisco Wireless CW9179Fアクセスポイント」は大規模な公共施設における多端末接続のために設計されたWi-Fi 7アクセスポイント。アクセスポイントの中に複数のアンテナと素子を配置し、設定によって指向性の異なる電波を照射できる。高利得で一方向へ遠くまで飛ばす、広い範囲を照射する、前方と後方に照射するといった設定が可能という。

 アクセスポイント設置後に、職場のレイアウトが変わった、人が増えたなど、導入環境の変化があった場合にも、台数や配置は不変のまま、照射範囲を変えることで対応することで、設計や作業のコストを抑制できるという。

 HPEの「HPE Aruba Networking AP-763アクセスポイント」は、無指向性と指向性アンテナをソフトウェアで切り替え可能なダイナミックアンテナにより、配置設計の複雑性や利用状況の変化に柔軟に対応できる。天井高や設置条件ごとのアンテナ設計や機種選定が不要としている。

 H3C Japan Technologiesの「H3C Wi-Fi8 アクセスポイントWA8648」は「世界初のWi-Fi 8対応」製品。Wi-Fi 8の標準化完了は2028年頃といわれている。ドラフト版に対応した製品は2026年夏から登場するとされてきたが、H3Cは他社に先駆けた形となる。

 秒単位で収集したロス率や遅延、干渉データを基に、AIが完全な自律制御を行うという。

IOWN APNではユースケース開拓進める

 全国への商用展開が段階的に進められているIOWNでは、ユースケースを広げる取り組みが進んでいる。

 NTTドコモビジネスは、全国にまたがる拠点をIOWNとInteropのネットワークであるShowNetで結び、分散GPU、データ同期など複数サービスを統合した過去最大距離の動態デモを行う。

 このデモでは、札幌、金沢、東京、大阪、福岡の拠点をIOWNに接続し、分散GPU基盤「GPU over APN」、長距離リアルタイムストレージ同期、離れていても同じ場所にいるかのようなミュニケーションを実現する「OPEN HUB Window」などを連携駆動するという。

 このうちGPU over APNでは、各拠点に分散配置されたGPUをIOWNで相互接続し、単一のGPUクラスタのように利用可能とする分散GPUの実証デモを見せる。

 地理的に分散したGPU間での高効率なデータ同期と分散処理により、物理的制約を超えた柔軟なGPUクラスタ構成と動的な資源再配置を実現できるという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る