30周年を迎えるオラクルと富士通の共同開発が生み出すSPARC/Solarisは、これからのIT環境に何を提供していくのか(2/4 ページ)
SPARC/Solaris Worldでは、SPARC/Solarisの技術を評価するパートナー各社さまを訪問します。今回は富士通さまを訪問します。
厳しい品質チェックを共に長年行うことで培った「信頼性」と「安定性」
増田 30年も協業いただいているとのことですが、富士通さまはSolarisをどのように評価されているのでしょうか?
野田氏 Solarisは、OSとして非常に安定していることが、重要な強みです。スケーラビリティとRAS(信頼性、可用性、保守性)性能においては、他のOpen系OSと比べて群を抜いて優れていることが強みと言ってよいでしょう。信頼性を高める機能が充実しており、安定して稼働することがお客さまの安心感につながるので、それらはとても重要なことだと考えています。
山本 われわれは、富士通さまと共に厳しい品質チェックを長年行ってきました。正直に言えば、過去には富士通さまの品質評価に適合しない場合もありました。日本を代表するメインフレームメーカーの要求品質に応える製品を作るのは、それだけ厳しい条件があったのです。それを一緒に乗り越えたことで今があり、SPARCやSolarisの高品質につながっていると考えています。
野田氏 われわれ富士通には、お客さまの重要なシステムを受け持つ責任があります。メインフレームであれ、UNIXであれ、厳しいチェックで品質を守り、お客さまの不利益になるリスクを徹底的に排除する考えです。OSがアップグレードされる時期は、一般的に新機能が注目されやすいですが、われわれとしては、お客さまにとってリスクとならない実装も同様に重視しています。Solarisは、お客さまの厳しい要求に共に応えてきたことで、他にない強みを獲得しました。
障害があっても稼働し続け、無停止でデータベースのリサイズを安全に行える「運用性」
山本 ハードウエアやOSに障害が起こっても、システムを稼働し続けることができる動的再構成(DR:Dynamic Reconfiguration)といったSPARCとSolarisならではの機能も、両社で一緒に作り上げてきた歴史の積み重ねによるものですね。さらに、Oracle DB の性能に関しても富士通さまとの大規模な多CPU構成の検証を通じて、Solaris ならではのスケーラビリティを発揮できるようになりました。
野田氏 お客さまのシステムが1時間ダウンした場合、その経済的な損失は計りしれません。動的再構成と併せ、無停止でデータベースのリサイズを安全に行えるOSM(Optimized Shared Memory)や、メモリ障害が発生した際に該当するメモリを切り離すメモリ・ページ・リタイアメント機能を持っている点も、SPARCとSolarisならではの強みですね。
山本 Oracle Databaseを最適に動作させるために共有メモリに関する機能拡張を 1990年代のSolaris 2.2 の時代から行っています。Solaris 11 では広大なメモリ空間を効率良く利用するために、共有メモリを扱う機構が大きく更改され「OSM」として提供されています。OSMでは、「Oracle Database 12c」のメモリ管理機能とより密接に連携したメモリ管理を行うことが可能となり、動的再構成と組み合わせてデータベースで利用されるメモリ領域をダウンタイムなしに動的にリサイズして運用できるようになっています。
お客さまの過去の投資を守る「互換性」
野田氏 またSolarisは、バイナリの互換性を保って開発され続け、お客さまの過去の投資を守っているところも強みの一つです。例えば、現行のSolaris 11.2は、Solaris 2.6以降とのバイナリ互換性の維持を保証する一方で、新しい機能もしっかりと提供しています。システムを手直しする手間なく、OSバージョンアップできるということは、結果としてお客さまに安心感を与え、信頼性を保つことにつながります。最新トレンドの機能を実装するために、過去の資産を捨てるようなことはありません。
野田氏 さらにSolarisは、仮想化機能も標準で搭載しており、サポートできるゲスト仮想マシンの数が非常に多いことや、ハードウエアと仮想化が最適化された状態で提供されていることも特長の一つです。
仮想化ソフトを別途購入してインテグレーションするなど、検証を行う手間やコストが不要になることはお客さまにとって大きなメリットです。万一、問題が発生してもオラクルと富士通だけで全てをサポートできます。例えば、大手食品メーカーのミツカングループさまでは、Solarisが持つ仮想化技術のうちコンテナー技術として提供される「Oracle Solarisゾーン」、さらにSolaris 8 や Solaris 9 環境をコンテナーとして最新のハードウエアに移行することができる「Oracle Solaris Legacy Containers」を使って、バージョンの異なるOSとデータベース環境を、非常に効率よく安全に刷新されています。
提供:日本オラクル株式会社、富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年12月15日
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