ファイア・アイが攻撃対策アーキテクチャを刷新、分析速度が3倍に:標的型攻撃の分析速度を3倍に向上
ファイア・アイが、攻撃の有無を動的に検出する次世代アーキテクチャを発表。Webトラフィックの分析アルゴリズムを高速化するなどして、全体の分析速度を3倍に向上させたという。
ファイア・アイは2015年11月13日、次世代の「MVX(Multi-Vector Virtual Execution)」アーキテクチャを発表した。MVXは、いわゆるサンドボックス型の脅威検知ソリューション。標的型攻撃の疑いがある添付ファイルなどを、安全な環境下の仮想マシン内で実際に実行させ、コンテキストを分析することで、シグネチャベースの製品ではすり抜けてしまう恐れのある攻撃を検出する。次世代MVXアーキテクチャでは、Webトラフィックの分析アルゴリズムを高速化するなどして、全体の分析速度を3倍に向上させた。
次世代MVXアーキテクチャではこの他、コンテキストに基づく分析機能を充実させ、疑いのあるパターンを早期に検出する「フロントラインインテリジェンス」の自動化によって検出性能も向上。さらにSSL(Secure Sockets Layer)による暗号化トラフィックの可視性も向上させている。この他、モバイル脅威防御機能も統合し、保護されたWi-Fiネットワーク上で使用されるAndroid/iOSデバイスが感染した際のコールバックの検出と防御も可能になった。
また、IPS(侵入検知システム)のシグネチャ検出機能とMVXエンジン検証機能を連携させることで、アドウエアや不審なプログラムから生じるノイズデータを除去し、IPS側の誤検出を排除することができるという。
なお同社は同日、「FireEye Threat Intelligence Engine」と「Forward Deployed Analyst」も発表した。前者は、同社の脅威対策製品・サービス群を活用するための脅威情報機能を提供するもの。後者は、企業が脅威インテリジェンスを利用できるよう支援するサービスで、顧客の環境内にファイア・アイの脅威情報を組み込むオンサイトの専門チームを提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 合法マルウェアで実感「リアルとサンドボックスの違い」
標的型攻撃対策の手法として、「サンドボックス」が注目を集めています。しかし攻撃者もすでに「サンドボックス対策」を進めています。合法的に作成したマルウェア的アプリ「ShinoBOT」を通じて分かったサンドボックス対策のヒントを、制作者本人が解説します。 - 5分で絶対に分かる標的型攻撃
なりすましメールやドライブバイダウンロード、ゼロデイ攻撃や脆弱性……企業の情報を得るために、ありとあらゆる手法を利用する「標的型攻撃」を解説します。 - マクロウイルスの再来?:偽装メールが再び拡散、不正マクロを仕込んだ添付ファイルでマルウエア感染
不正なマクロを仕込んだWord文書ファイルを添付し、オンラインバンキングサービスを狙うマルウエアに感染させようとするスパムメールが、2015年10月以降多数観測されている。 - セキュリティ、いまさら聞いてもいいですか?(1):なぜ、「標的型攻撃」で情報が漏れるの?――標的型メールのサンプルから攻撃の流れ、対策の考え方まで、もう一度分かりやすく解説します
近年取り上げられるセキュリティ関連のさまざまなキーワードについて、「素朴な疑問」から出発し、セキュリティ初心者の方にも分かりやすく解説することを目指した本連載。第1回のテーマは、「標的型攻撃」です。 - セキュリティ専門家にスムーズに相談するために:問診票形式で状況を把握、「『やられたかな? その前に』ガイド」をISOG-Jが公開
日本セキュリティオペレーション事業者協議会(ISOG-J)は2015年10月14日、セキュリティ専門家に相談する際、自社のセキュリティ状態を簡単にセルフチェックできる「問診票」として利用できる「『やられたかな? その前に』ガイド」を公開した。 - ユーザー企業の現場担当者向けに:IPAが新たな資格試験開始、セキュリティの世界における「火元責任者」育成を
情報処理推進機構(IPA)は2015年10月16日、国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として、ユーザー企業の現場担当者のセキュリティ知識向上を目指した「情報セキュリティマネジメント試験」を創設することを発表した。