ジュニパー、ネットワークOS「Junos」を単体で提供へ:ネットワーク機器のハードとソフトの分離が進む
ジュニパーネットワークスはネットワーク機器向けOS「Junos」を単体で販売すると発表した。
ジュニパーネットワークスは2015年12月1日、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器向けOS「Junos」を単体で発売すると発表した。サードパーティー製のネットワークサービスやアプリケーションをジュニパーネットワークスのネットワーク機器に直接展開したり、Open Compute Projetct(OCP)によって定義されたソフトウエアモデルを通じて、ジュニパーネットワークスが提供するネットワークシステムに直接プログラミングしたりできる。
Junosでは、OpenStackが提供するネットワークコンポーネントの機能やNETCONFなどのツールを用いて自由にサードパーティー製アプリケーションをオーケストレーションすることが可能。また、ネットワークサービスをモジュール化し、他のアプリケーションやSDNコントローラー、オーケストレーションツールと統合できるようになっている。
さらに同社は、Junos単体版が稼働するアクセススイッチ「QFX5200シリーズ」も発表した。QFX5200シリーズは、25G/50Gビットイーサネット(GbE)に標準対応している。これにより、ネットワーク自動化とプログラマビリティの実現に加え、ソフトウエアのライセンス料を従量課金モデルとするオプションを導入し、ソフトウエアとハードウエアを個別に購入できる柔軟性を持たせるという。
この発表に際して、ジュニパー開発革新担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのジョナサン・デビッドソン(Jonathan Davidson)氏は「ネットワークの目的が根本的に変わり、速度、俊敏性、信頼性を備えた接続を人々にもたらすための選択肢を提供することが重要」とコメントしている。
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