進化を続ける、IoT時代の「Java」はどこへ向かうのか:何度目かになる“サイクル”が回ってきた(2/2 ページ)
2015年10月末に米国サンフランシスコで開催されたオラクルの年次イベントでは、Java開発者会議「JavaOne」も同時に開催された。「何度目かになる“関心の高まり”のサイクルが回ってきた」──。日本オラクルも国内の開発者に向け、「Javaはどこへ向かうのか」を説明した。
「MEプラットフォーム」へのサイクルが回ってきた
2015年現在のJavaは、組み込み機器向けのランタイム「Java ME Embedded」でIoTを含めたさまざまな組み込み用途向けの需要に対応していく計画だ。大きくは標準的なJavaプラットフォームのランタイムである「Java SE」とバージョンを一致させつつ、機能拡張を行っていく流れとなっている。
インターネット技術の普及と足並みをそろえるように発展を遂げ、インターネット時代の標準的なプログラミング言語となったJava。その後、Web技術をフロントエンドにするアプリケーション開発がより軽量なスクリプト言語などへ主流が移る中でも、サーバーや大規模システム向けの「Java EE」によるサーバーサイドのビジネスロジック記述に比重を置いてきた。その時、その状況に応じて柔軟に立ち位置を変えながら歴史が続いている。
エッジデバイスに近いモバイルデバイスやデジタルガジェットなどは、そもそもJavaが広く使われている分野。昨今のIoTへの注目の高まりは、Javaにとっては「何度目かになる“MEプラットフォームへの関心の高まり”のサイクルが回ってきた」と日本オラクルの宇野氏は述べる。
Javaプラットフォームは、2016年内の正式リリースが予定される「Java SE9」により、さらに言語仕様面でも改良を受け、よりモジュール化を進めていく方向性を既に示している。登場から20年が経過したJavaだが、当面はその技術や知識が過去のものとなる心配はせずに済みそうだ。
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