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Visual Studio+Xamarin.Forms+Xuniでクロスプラットフォーム開発特集:クロスプラットフォーム開発新時代(1/4 ページ)

Xuniはモバイルアプリ開発で便利に使えるコントロールキットだ。本稿ではXamarin.FormsとXuniを組み合わせて簡単なアプリを作ってみる。

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特集:クロスプラットフォーム開発新時代
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「特集:クロスプラットフォーム開発新時代」のインデックス

連載目次

 Xuniグレープシティが開発/提供しているモバイルアプリ開発用のコントロールキットだ。対象となるのはiOS、Android、Windows Phoneとなる(ただし、Windows Phone用のアプリ開発にはXamarin.Formsが必要だ)。2016年1月20日にその最新版となる[2015 v3]がリリースされた。本稿ではこのバージョンを基に、XuniとXamarin.Formsを組み合わせたクロスプラットフォーム開発の概要について紹介していく。

Xuniとは

 XuniはiOS/Android/Windows Phone向けのネイティブなモバイルアプリを開発する際に使用可能なコントロールを収録したコントロールキットだ。

 Xuniを使ってiOSアプリを開発する方法は二つある。一つは、Xcodeを開発環境、Objective-CかSwiftを開発言語とする方法だ。もう一つは、Xamarin Platformを使う方法だ。この場合は、Xamarin.iOSかXamarin.Formsを使用する。開発環境はVisual Studio(以下、VS)かXamarin Studio(以下、XS)、開発言語はC#となる。サポートされるiOSのバージョンはiOS 7.1以上で、iOS 8以上が推奨される(2016年1月現在)。

 同様にXuniを使ってAndroidアプリを開発する方法も二つある。一つは、EclipseまたはAndroid Studioを開発環境、Javaを開発言語とする方法。もう一つは、Xamarin Platformを使う方法だ。この場合はやはり、開発環境はVSかXS、開発言語はC#となり、Xamarin.AndroidかXamarin.Formsを使用する。サポートされるAndroidのバージョンは4.0以上だ。

 Windows Phoneアプリを開発する場合には、VSを開発環境として、Xamarin.Formsを使用する(開発言語はもちろんC#)。サポートされるWindows Phoneのバージョンは8.0となる。なお、Xamarin.FormsではWindows 10 Mobileから利用できるUWPアプリの開発もサポートされる予定であることから(2016年1月現在はプレビュー段階)、将来的にはXuniでもUWPがサポートされるようになるかもしれない。

 早い話がiOS、Android、Windows Phone向けにクロスプラットフォーム対応アプリを開発するのであれば、Xamarin.Formsを使うということだ。注意しておきたいのは、Windows Phoneアプリの開発が可能なのはVSのみとなる点だ。Windows版のXSで可能なのはAndroidアプリ開発のみであり、OS X版のXSで可能なのはiOSアプリ/Androidアプリ開発となる。

収録されているコントロール

 収録されているコントロールは以下の5種類。

  • CollectionView: データバインディング用のコンポーネント。格納するコレクションに対するさまざまな操作を提供する
  • FlexChart: さまざまな種類のグラフを描画可能なコントロール
  • FlexGrid: スプレッドシート的な表形式のデータ描画を行うためのコントロール
  • FlexPie: 円グラフの表示に特化したコントロール
  • Gauges: 円形/線形/ブレットグラフの3種類のインジケーターを表示可能なコントロール

 なお、本稿ではこの後、VSを開発環境として、Xamarin.Forms用のコントロールを使用する場合を例として取り上げることにする。

ライセンス

 Xuniはサブスクリプションモデルの開発ライセンスを採用している。詳細はXuniのライセンスページおよびComponentOne製品の「ライセンスについて」ページを参照してほしい。

 簡単には最短で12カ月、最長で16カ月の期間が契約期間となり、更新することでこれが12カ月延長される。また、このライセンスはユーザーライセンスであり、開発者ごとに契約を結ぶ必要がある。1ライセンスで3台のPCにインストールが可能だ(1人の開発者が使用する場合)。

 開発したアプリを配布する際には、配布ライセンスが必要になる。ただし、これは無料であり、グレープシティのWebサイトから必要なだけ取得可能だ。アプリを開発/デバッグする際にも配布ライセンスが必要となるので、プロジェクトを作成後にWebサイトでその手続きを行うようにしよう。

 なお、配布ライセンスを取得するにはグレープシティへのユーザー登録が必要になる。Xuniには30日間有効なトライアル版があるが、これを使って、Xuniを試してみたい場合でもユーザー登録が必要となる。ユーザー登録後、製品版のユーザーはシリアル番号を登録することで、製品版の配布ライセンスを取得できるようになる。トライアル版のユーザーはシリアル番号の登録は不要(不可能)だが、トライアル版の配布ライセンス(アプリを30日間使用可能)が取得できるようになる。

Xuniの概要を知るための無料アプリ

 Xuniを使って開発したアプリがどんなものになるかを、実際に見てみたい人には「Xuni Explorer」というアプリが無料で配布されている。

Androidデバイスで実行中のXuni Explorer
Androidデバイスで実行中のXuni Explorer

 実際にデバイスでアプリに触ってみると、操作に応じてビジュアルなリアクションがあるので、「おぉっ」と思ってしまうことだろう。ぜひ試してみてほしい。

 次ページではXamarin.FormsとXuniが提供するFlexGridコントロールを使用して、簡単なアプリを作ってみよう。

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