メインフレームにも「API連携」「ビッグデータ分析」「クラウド」を――IBM z Systemsの新製品:多要素認証によるセキュリティ対策も
IBMがミッドレンジメインフレームサーバの新製品を発表。API連携やデータ分析、ハイブリッドクラウドなどに対応する。
日本IBMは2016年2月17日、ミッドレンジメインフレームサーバの新製品「IBM z13」を発表した。2016年3月に出荷を開始する予定。既存の製品に比べて、データベースやセキュリティに関する処理性能を向上させ、新たにOSに多要素認証機能を組み込んだ。
z13sの特長は、大きく分けて以下の3つ。
1つ目は、IBMが戦略の1つに掲げている「APIエコノミー」に向けた機能。z13s上にある基幹データを、安全にモバイルアプリケーションなどと連携できるという。
2つ目は、実装可能なメモリ容量を、既存の「IBM zEnterprise BC12(zBC12)」に比べて8倍に当たる最大4TBに増やした点。加えて、データベース処理専用エンジン「zIIP」を同時マルチスレッド(SMT)に対応させたことで、データベース処理性能を向上させているという。例えば、Apache SparkやCloudantを利用して、「データベースに格納されている顧客情報や購買履歴などとSNSデータや位置情報をリアルタイムに分析し、お勧め商品を提示する」といった分析処理を、z13sの外部にデータを送信せずに実行できるようになっている。
3つ目は、ハイブリッドクラウドに向けて、セキュリティと信頼性を高めた点。IBM z Systemsが従来備えている「ハードウェアで暗号鍵を保持する機能」に加え、z13sでは暗号化と復号の処理をzBC12の2倍に高速化したという。さらにIBM z/OSで「IBM Multi-factor Authentication for z/OS(MFA)」による多要素認証を利用できるようにした。多要素認証を有効にすると、特権ユーザーがシステムにアクセスするときに、ランダムに生成されるトークンなどの入力が必要となり、セキュリティを高められるとしている。
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