自動運転に5G通信を活用、デンソーとドコモが共同研究:自動運転インフラに組み込まれるか?
デンソーとNTTドコモは、LTEや次世代移動通信システム「5G」を利用した車両制御システムを共同で研究開発することに合意した。
デンソーとNTTドコモは2016年2月22日、LTEや次世代移動通信システム「5G」を利用した車両制御システムを共同で研究開発することに合意したと発表した。高度運転支援技術や自動運転技術の開発が目的。デンソーがこれまで培った車両制御技術と、NTTドコモの車両通信技術を組み合わせる。
車車間、路車間通信による制御技術を持つデンソーと5G車両通信研究のドコモ
デンソーはこれまで、車車間通信や路車間通信(後述)の研究開発に取り組み、通信を利用した車両制御技術や車載器を開発してきた。
一方のNTTドコモは、自動車と「あらゆるもの」をつなげる通信にLTEや5Gを応用する車両通信の研究開発に取り組んできた。両社の技術を組み合わせて、LTEや5Gを利用した車両制御技術の開発や、高度運転支援や自動運転技術への活用を目指す。
具体的には、高速道路での合流や、見通しの悪い都市部の交差点などでの自動制御を想定し、シミュレーターを用いた評価や、車両を利用した実験を検討する。
なお、車車間通信とは、自動車同士が互いに位置や速度といった情報をやりとりし合う仕組み。見通しの悪い交差点などで衝突の危険性があるときに、運転者に警告を出したり、自動制御したりするなどして危険を回避するために利用することが想定される。
路車間通信とは、信号機などのインフラと自動車が通信する仕組み。インフラ側が複数の自動車の情報を収集し、ある自動車の情報を別の自動車に送信する。場合によってはインフラにカメラなどのセンサーを装備しておき、歩行者などの様子を捉え、それらの情報を自動車に送信することで危険回避制御につなげる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第162回 クルマの自動運転に求められること
自動車の自動運転技術に対する注目が急速に高まっている。自動運転というのは、いわばクルマに自前の目や脳を載せるという技術である。半導体技術が支える面も大きい。そこには、まだいくつかの課題がありそうだ。 - 第166回 AppleかGoogleか? クルマのIT化が次なる戦場
AppleとGoogleの戦いが自動車市場を舞台に始まった。両社のアプローチは違うものの、クルマのIT化をターゲットにしているのは同じ。さて、スマートフォン市場に続き、自動車市場でも両社の戦いは続くのか? - あなたの知らない自動運転技術の歴史とGoogle Carの自動運転に使用するセンサーの基礎知識
本連載では、公開情報を基に主にソフトウエア(AI、アルゴリズム)の観点でGoogle Carの仕組みを解説していきます。初回は、自動運転の歴史やGoogle Carの位置付け、Google Carで使われているセンサーの基礎知識などについて。 - 「クラウドはDevOpsを推進するエンジンになる」――BlueMixは6月末にGAへ
「BlueMixはPaaS」と言うだけでは、IBMの提供する真の価値は見えない。レガシーなITシステムや、これからのインテリジェントな“ものづくり”に、継続的エンジニアリングを適用させるためのDevOpsのドライバーとして機能するサービス、というのがその実態のようだ。