第1回 Apache Cordovaでできること:連載:Visual Studio+Apache Cordovaで始めるiOS/Androidアプリ開発(1/6 ページ)
Visual Studioは単なるWindowsアプリ開発ツールではない。本連載ではVisual Studioを使ってiOS/Androidアプリを開発する基礎知識を紹介していく。
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Visual Studio Tools for Apache Cordova(次の画像、以降「VS Tools for Cordova」)を使うと、iOS/AndroidそしてWindows/Windows Phoneのクロスプラットフォーム開発ができる。使い慣れたVisual Studioで、iOSとAndroidのアプリも簡単に開発できるのである。
本連載は、VS Tools for Cordovaを使ったクロスプラットフォーム開発の入門である。iPhone/Android用のモバイルアプリを作ってみたいと思っている.NET開発者にうってつけだ。予備知識としては、Webページの作り方(HTML/CSS/JavaScript)がある程度分かっていればよい。筆者もiOS/Androidアプリ開発についてはさほど詳しくはないが、VS Tools for Cordovaを使うことで、比較的簡単にこれらを開発できることが実感できた。
今回は、VS Tools for Cordovaをインストールして、実際にごく簡単なアプリを作ってみよう。
VS Tools for CordovaのWebサイト
Apache Cordova自体は、Apache Software Foundationが管理しているオープンソースの開発フレームワークだ。それをマイクロソフトがVisual Studioの拡張機能に仕立てて提供しているのがVS Tools for Cordovaである。
このページの[Visual Studio のダウンロード]と書かれた緑色のボタンをクリックすると、Visual Studio Community 2015のインストーラがダウンロードされる。
1. VS Tools for Cordovaでできること
Webページ作成技術(HTML/CSS/JavaScript)を使って、次のプラットフォーム用のアプリを開発できる。
- Android
- iOS(iPhone/iPad)
- Windows(Windows 8.x/Windows Phone 8.x/Windows 10搭載スマートフォン)
具体的には、次のようなことが可能だ。
- 1プロジェクトでのクロスプラットフォーム開発
- JavaScriptでのプログラミング(TypeScriptも可)
- エミュレータや実機を使って、Visual Studioでデバッグ
- ストアへ提出するためのパッケージの作成(iOSを除く)
残念ながらVS Tools for Cordova単体では、次のようなことはできない。
- Apache Cordovaがサポートしているプラットフォーム全ての開発(全プラットフォームのうち、iOS/Android/WindowsだけがVS Tools for Cordovaでサポートされている)
- iPhone/iPadやそのエミュレータを使ったデバッグとiOS用パッケージの作成(Macの実機を用意するか、または、MacinCloudを利用する)
なお、公式のドキュメントは次のWebサイトにある。
- VS Tools for Cordova(マイクロソフト):Visual Studio Tools for Apache Cordova, Docs(本稿執筆時現在、英語のみ)
- Apache Cordova(Apache Software Foundation):概要 - Apache Cordova
次ページではVS Tools for Cordovaのインストール手順を説明する。既にインストール済みの方は「プロジェクトを作って実行してみよう」に進んでもよい。
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