ミラクル・リナックス、Azure上で「CLUSTERPRO」を稼働させる環境構築支援サービスを開始:OSSアプリをクラスタ化し、可用性を向上
ミラクル・リナックスは、Azureの仮想マシン上で稼働するHAクラスタソフトウェア「CLUSTERPRO」を活用した環境の構築支援サービスを開始した。
ミラクル・リナックスは2016年6月17日、「Microsoft Azure(以下、Azure)」の仮想マシン上で稼働する、HA(High Availability:高可用性)クラスタソフトウェア「CLUSTERPRO」を活用した「CLUSTERPRO 構築支援サービス for Microsoft Azure」を開始した。
CLUSTERPROは、フェイルオーバー機能を持つNECのHAクラスタソフトウェア。ミラクル・リナックスはこれまでもNECと協業し、同ソフトウェアを活用したソリューションの設計に長期的に取り組んできたという。
今回提供される構築支援サービスは、ミラクル・リナックスがオンプレミス環境で培ってきたCLUSTERPRO構築のノウハウをクラウド環境に適用したもの。Azureには「可用性セット」と呼ばれる仕組みが用意されているが、万が一アプリケーションが停止した際、データベースの一貫性を保ちながらアプリケーションを別の仮想マシンに引き継ぐためには、フェイルオーバー機能をユーザー自身で用意する必要がある。
同サービスでは、自社の業務要件に応じたカスタマイズにも対応しながらHA構成を構築し、Azure上におけるシステムの可用性向上を支援する。特に昨今は、OSS(オープンソースソフトウェア)統合監視ソフトウェア「Zabbix」やOSSデータベースソフトウェア「MySQL」など、複数のOSSを組み合わせたアプリケーションをAzure上で稼働させるケースも増えているが、予期せぬ停止に見舞われることも少なくない。同サービスでは、そうしたアプリケーションについてもフェイルオーバー機能を検証し、Azure上での信頼性の高いOSS実行環境を構築できるという。
今後はオンプレミスとパブリッククラウドのハイブリッドクラウド構成や、同一クラウド内の異なるリージョン間での検証も進めていくとしている。価格は、Azure上の2 OSインスタンスでのクラスタ構成の場合で、82万円(税別)から。
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