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【 yum 】コマンド(応用編その2)――プログラムグループのリストを表示するLinux基本コマンドTips(44)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回も、「yum」コマンドの応用編です。

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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回も、ソフトウェア(パッケージ)のインストールなど、“パッケージ管理”を行う「yum」コマンドの応用編を紹介します。

yumコマンドとは?

 「yum」は、Red Hat系のLinuxディストリビューションで使われている“RPMパッケージ”を扱うためのパッケージ管理コマンドです。


yumコマンドの書式

yum [オプション] コマンド [パッケージ名など]

※[ ]は省略可能な引数を示しています



yumコマンドの基本操作

yum install パッケージ名

(パッケージおよびそのパッケージに必要なパッケージを同時にインストールする)

yum update パッケージ名

(指定したパッケージがインストールされている場合、アップデートする。パッケージを指定しなかった場合はシステム全体がアップデート対象となる)

yum erase パッケージ名

(パッケージをアンインストールする。指定したパッケージに依存するパッケージも削除するかどうかの確認メッセージが表示される)




yumの主なコマンド

 yumで使える主なコマンドは次の通りです。

●パッケージ操作関係
コマンド 実行内容
install パッケージをインストールする
reinstall パッケージを再インストールする
downgrade パッケージをダウングレードする
erase パッケージを削除する
update システムのパッケージを更新する
update-minimal 「重要な更新」だけを更新する
upgrade 不要になったパッケージを考慮しながらパッケージを更新する
distribution-synchronization 最新の利用可能なバージョンへインストール済みパッケージを同期する
localinstall パッケージファイル(RPMファイル)を指定してインストールする
localupdate パッケージファイル(RPMファイル)を指定してアップデートする

●情報関係のコマンド
コマンド 実行内容
info パッケージもしくはパッケージグループの詳細を表示する
list パッケージグループの一覧を表示する
deplist パッケージの依存性の一覧を表示する
groups パッケージグループの情報を表示する
search 指定した文字列でパッケージの詳細を検索する
provides ファイルなどを指定して、該当するファイルを提供するパッケージを検索する
repolist ソフトウェアリポジトリの構成を表示する
version ホストが利用できるリポジトリのバージョンを表示する

●メンテナンス関係のコマンド・その他
コマンド 実行内容
check rpmデータベースの問題を確認する
check-update 更新に利用できるパッケージを確認する
clean キャッシュデータを削除する
shell 対話型のシェル(yumシェル)を実行する
updateinfo リポジトリの更新情報を表示する


yumコマンドの主なオプション

 yumコマンドの主なオプションは次の通りです。

短いオプション 長いオプション 意味
-y --assumeyes 全ての問い合わせに「yes」で応答したものとして実行する
--assumeno 全ての問い合わせに「no」で応答したものとして実行する
-t --tolerant エラーを黙認する
-R 分 --randomwait=分 最大の待ち時間を指定する
-c 構成ファイル --config=構成ファイル 構成ファイルを指定する
--installroot=場所 インストール先を指定する
--downloaddir=場所 ダウンロード先を指定する
--downloadonly ダウンロードだけを行う
-C --cacheonly パッケージの情報をダウンロードせずキャッシュだけを使用する
-x パッケージ --exclude=パッケージ 除外するパッケージを指定する(ワイルドカードも使用可能)
--color=指定 出力メッセージを色付きにするかどうかを「always」「auto」「never」のいずれかで指定する
-q --quiet 実行時にメッセージを出力しない
-v --verbose 詳しいメッセージを出力する


グループのリストを表示する

 yumコマンドでは、プログラムを目的ごとに集めた「グループ」を使ってパッケージ群を管理することができます。パッケージをグループ単位でインストールすることで、目的に合わせた環境を簡単に作ることができます。

 どのようなグループがあるかは「yum grouplist」で確認できます(画面1)。

コマンド実行例

yum grouplist

(グループのリストを表示する)


画面1
画面1 グループのリストを表示する


グループのリストを英語名で表示する

 グループの情報などを表示する際、日本語ではグループ名を入力しにくいことがあります。英語のグループ名称を確認するにはyumコマンドの前に「LANG=C」を指定して、「LANG=C yum grouplist」のように実行します(画面2)。

コマンド実行例

LANG=C yum grouplist

(グループのリストを英語名で表示する)


画面2
画面2 グループのリストを英語名で表示する

 「LANG=C yum grouplist」は、環境変数「LANG」に「C」が設定されている状態で「yum grouplist」を実行するという意味になります。

 通常、日本語環境では、環境変数LANGに「ja_JP.utf8」のように日本語が設定されています。インストールされているyumコマンドが日本語に対応している場合、LANGに日本語が設定されていれば、グループ名は日本語で表示されます。環境変数LANGに「C」(Common)が設定されているとデフォルトの状態、つまり英語名が表示されます。



グループの情報を表示する

 「yum groups info グループ名」でグループの情報が表示されます(画面3)。「info」を指定すると、説明や標準でインストールされるパッケージなどが表示されます。

コマンド実行例

yum groups info "Basic Web Server"

(「Basic Web Server」グループの情報を表示する)


画面3
画面3 「Basic Web Server」グループの情報を表示する。ここでは、「base」と「core」に加えて、「web-server」グループのパッケージがインストールされることが分かる

 上記の実行例では「Basic Web Server」グループを表示していますが、ここでは「必須グループ(Mandatory Groups)」「追加グループ(Optional Groups)」のように、下位グループも表示されています。

 これらのグループの情報も同様に表示できます。例えば、「web-server」グループの情報を表示する場合は、「yum groups info web-server」と指定します。



サブコマンドを調べるには?

 今回使用した「groups」コマンドには、「list」や「info」などのサブコマンドがあります。「yum groups 」まで入力した後に[Tab]キーで補完すると、サブコマンドのリストが表示されます(画面4)。

画面4
画面4 「yum groups 」の後には、サブコマンド「info」「install」「list」「remove」「summary」が指定できることが分かる

 なお、groups部分も補完機能が効くので、「yum g」で[Tab]キーを押してgroupsが表示されたら、続けて[Tab]キーを2回押すことでコマンドを確認できます。



筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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