CA、「変化を常とする」企業を後押しするソリューション群を発表:「CA World'16」レポート
CA Technologiesは2016年11月14〜18日(米国時間)、同社の年次イベント「CA World'16」を開催。11月16日の基調講演にはCEOのMike Gregoire氏が登壇した。
CA Technologies(以下、CA)は2016年11月14〜18日(米国時間)、同社の年次カンファレンス「CA World'16」を米ネバダ州ラスベガスで開催。5日間にわたる同イベント(2日間のプレカンファレンスを含む)には、各国から同社の顧客やパートナー企業の関係者ら数千人が参加。「アジャイル」「DevOps」「セキュリティ」といったキーワードを軸に、ソリューション展示会と併せて多数のセッションが行われる。
本稿では、11月16日に行われた基調講演の模様をレポートする。
アイデアを現実にし、企業が生き残る術を探る
「なぜ私たちは今日ここにいるのだろう?」。CA CEOのMike Gregoire(マイク・グレゴア)氏による基調講演は、こんな問い掛けから始まった。「自社のビジネスを成長させたいから。グローバルのモバイル市場で売り上げを伸ばしたいから――理由はいろいろあるだろう。だが、それらは全て『アイデアを現実のものにしたいから』というひと言に集約できる」。そう述べるGregoire氏は、「ソフトウェアが世界を飲み込む」というマーク・アンドリーセン氏の言葉を引き合いに出しながら、瞬く間に既存のビジネスモデルを変革し得るソフトウェアの力についてあらためて強調した。
ただし、こうしたソフトウェアによる変革に歯止めを掛ける要素も、依然企業の間に残っている。「長過ぎる視点でのROIの算出」「時間のかかる意思決定」「セキュリティ」「各種の規制」などだ。Gregoire氏は、「現在のソフトウェアのライフサイクルは非常に短くなっており、5年といった長期的な見方はもはや現実に即していない」と指摘。「2年、あるいはさらに短いスパンでソフトウェアのライフサイクルを捉えなければ、変革の波に乗り遅れてしまう」と警鐘を鳴らした。
加えて、人材の問題もある。Gregoire氏によれば、現在は高いスキルを持った人材を採用し、組織に定着させることは難しくなっており、製品のリリース途中で組織を抜けてしまうエンジニアなども少なくないという。「こうした状況で人材を定着させるには、上司や同僚、職場環境、仕事内容などの要素を従業員にとって魅力的なものにする必要がある。特に、これからソフトウェア開発に取り組もうとしている企業ではなおさらだ」(Gregoire氏)。
一方、そんな幾つもの障壁をクリアし、うまく変革を実現した企業は急速な成長を遂げている。Gregoire氏は、売り上げの50%をオンラインからの注文が占めるドミノ・ピザや、IoT企業の先駆けともいわれるゼネラル・エレクトリック、イーロン・マスク氏率いるテスラモーターズなどさまざま企業を挙げながら、ソフトウェアがもたらし得る“破壊的な”変革の事例を示した。
「これまでイノベーションは、資金のあるものにしか引き起こせなかった。だが今は、誰でも強力なハード/ソフトウェア、情報を入手し、変革を起こすことができる。この予測できない世界では、『長持ちするビジネスモデル』は崩壊する。常にアイデアを実現し続けることで競争優位性を維持する『変化を常とする企業』が生き残るのだ」(Gregoire氏)
CAでは、こうした企業の迅速な変化を支援すべく、前述の通り「アジャイル」「DevOps」「セキュリティ」の3方面からさまざまなソリューションを組み合わせて展開していくという。「CA Agile Central」の機能強化や、メインフレーム向けソリューションスイート「CA Mainframe Operations Intelligence」の提供開始、ハイブリッド環境におけるアクセス管理のためのIDaaS(IDentity as a Service)ソリューション「CA Identity Service」の新規リリースなどが立て続けに発表されている。
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