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IBM POWER8対応ディープラーニング開発ツール群「IBM PowerAI」が「TensorFlow」フレームワークをサポート「多様な選択肢と企業向けサポート」を提供

IBMのディープラーニング開発ツール群「IBM PowerAI」がグーグルの「TensorFlow」フレームワークをサポートした。

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 米IBMは2017年1月26日(米国時間)、IBM POWER8プロセッサ対応のオープンソースディープラーニング開発ツール群「IBM PowerAI(以下、PowerAI)」が、米グーグルのAI(Artificial Intelligence:人工知能)ソフトウェア群である「TensorFlow 0.12」フレームワークを新たにサポートしたと発表した。

photo 「IBM PowerAI」のWebサイト

 急成長を遂げている機械学習分野の1つであるディープラーニングは、数百万から数十億の要素を持つ膨大なデータセットを処理し、有用な予測型モデルを抽出することを可能にする。既にコンシューマー向けWebアプリケーションやモバイルアプリケーションの大手企業がディープラーニングを利用したビジネス変革に取り組んでおり、他の企業でもディープラーニングの導入が進んでいる。

 また、ディープラーニングを中心とする機械学習技術は、銀行、自動車、小売りなど、幅広い業種に渡る技術革新が期待される。TensorFlowのエンジニアリングリーダーを務めるラジャット・モンガ氏は、PowerAIのTensorFlowサポートについて、「TensorFlowはコンピュータビジョンや音声認識、テキスト分析といったタスクへのディープラーニングの利用に関心がある企業にとって、有力な選択肢として急浮上しているフレームワークである。PowerAIのTensorFlow対応は、エンタープライズクラスの環境やサポートを必要とする企業に向けたフレームワークの導入に役立つだろう」と述べている。

 IBMの開発したPowerAIは、コグニティブアプリケーションの開発に使われるオープンソースの機械学習とディープラーニングフレームワークで構成されており、IBM POWERアーキテクチャ上にこうしたオープンソースフレームワークをデプロイする際の複雑さやリスクの軽減を支援できるという。

 さらにPowerAIは、エンタープライズクラスのシステムで高いパフォーマンスを発揮するようチューニングされている。企業システム、学術システム、ハイパースケールシステム環境向けの「IBM Power Systems S822LC for HPC」プラットフォーム上での利用に対して、エンタープライズクラスのIBMによるサポートが提供される。

 PowerAIのサポートに関しては、IBM Technology Support Servicesが新しいエンタープライズソフトウェアサポートソリューションを立ち上げ、企業向けの統合サポートを提供する。また、企業のビジネス躍進を支援するIBM Global Business Solutionsでは、TensorFlowフレームワークを利用したPowerAIプラットフォーム上のソリューション構築を支援する専用の設計/開発チームも用意する。

 PowerAIは2017年1月現在、「Caffe」「Chainer」「TensorFlow」「Theano」「Torch」「NVIDIA DIGITS」などの機械学習/ディープラーニングフレームワーク、ライブラリをサポートする。

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