「メタデータ」「NoSQL」「CAP定理」を理解する：「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ（31）（1/2 ページ）

あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前／午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回は「メタデータ」「NoSQL」「CAP定理」の基礎を解説します。

[具志堅融, 河科湊，著]

連載目次

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍ポケットスタディ データベーススペシャリスト ［第2版］（2015年12月22日発行）』からの抜粋です。

ご注意：本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは＠ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。

※編集部注：前回記事「「分散データベース」を理解する」はこちら

その他の応用技術

出題頻度　午前II：●--　午後I：---　午後II：---

　●--：過去14年間での過去問出題数が1〜9回
　●●-：過去14年間での過去問出題数が10〜19回
　●●●：過去14年間での過去問出題数が20回以上

Key Word

●メタデータ、データディクショナリ、リポジトリ、チェックイン、チェックアウト、再現率と精度、NOSQL

メタデータ

　「メタ」には「超越」や「上の段階の」という意味があり、メタデータとは、データより上位概念である“データの定義情報”を指します。

演習30-1

　データベースのメタデータに関する記述として、適切なものはどれか。

ア　集合をメンバ（インスタンス）として扱う、“べき集合”のこと

イ　属性が持つことのできる値の範囲のこと

ウ　データ管理者が管理し、DBMSには登録しない情報のこと

エ　データ自身に関する情報のこと

（H14春DB午前問14）

解答　演習30-1　エ

　*囲み内をクリックすると解答を表示します（表示後ページをリロードすると、再び非表示になります）

データディクショナリ

　DBMSにはデータベースのメタデータを管理する機能があり、これをデータディクショナリと呼びます。分散データベースシステムにおいては、データが格納されているサイトの情報なども登録されます。

リポジトリ

　リポジトリとは、データやソースコード、設計書などの開発に必要なデータ資源を一元管理するシステムを指します。データとメタデータをリポジトリに登録することで、データとそのバージョン管理を行うことができます。

＜1＞チェックアウト

　リポジトリにあるデータを利用者が更新する際、リポジトリから取り出し利用者の手元に移すことをチェックアウトと呼びます。

＜2＞チェックイン

　リポジトリから取り出したデータを更新した後、リポジトリに戻すことをチェックインと呼びます。同じデータを多くの利用者が同時にチェックアウト・更新していても差分情報を適切にリポジトリに反映します。

商用データベース

　ある特定分野のデータを、営利目的で第三者に提供するサービスを商用データベースと呼びます。新聞記事、ビジネス事例、学術論文、官報など様々な分野のデータベースが提供されています。

再現率と精度

　情報検索システムの検索性能を評価する尺度として再現率（recall ratio）と精度（precision ratio）があります。

再現率	検索対象のデータ全体から、本来検索して見つける必要があるデータを、実際に見つけ出せた割合
精度	検索結果の中に、本来検索して見つける必要があるデータが、どの程度含まれているかの割合

Chance問題

演習30-2

　文献検索システム、データ検索システムなどの情報検索システムを評価する尺度として用いられる再現率（recall ratio）と精度（precision ratio）の組合せとして、適切なものはどれか。ここで、a、b、cは次の件数を示す。

a：蓄積されたすべてのデータのうち、質問に適合する件数

b：検索されたデータのうち、質問に適合する件数

c：検索されたデータの件数

（H23春DB午前II問19）

解答　演習30-2　イ

　*囲み内をクリックすると解答を表示します（表示後ページをリロードすると、再び非表示になります）

本試験過去問題による類題演習
□H22 午前II問20	RDBMSのデータディクショナリに格納されるもの
□H15 午前問15	リポジトリの説明
□H16 午前問15	リポジトリのチェックイン、チェックアウト