業務のデータベース処理が「なぜか」だんだん遅くなっていく(パフォーマンストラブル):SQL Serverトラブルシューティング(45)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「データベース処理が、なぜかだんだん遅くなっていく事例とその対処方法」を解説します。
解決方法
断片化の解消には、インデックスを「再編成」する方法と、「再構築」する方法の2種類があります(*)。
インデックスの再編成は、既存の領域を使ってデータを並べ替えて断片化を解消する処理を行います。他方の再構築は、新規領域を使ってデータを並べ替える処理を行います。一般的に、再編成より再構築の方が断片化を解消できます。目安としては、断片化率が30%以上だったならば再構築を、それ以下だったならば再編成が推奨されます。dm_db_index_physical_statsを実行して得られた断片化率を目安に、どちらを使用するかを判断してください。
断片化解消処理は「ALTER INDEX」で行います。例えば、index1のインデックスを「再構築」するクエリは以下の通りです。
USE [db] GO ALTER INDEX [index1] ON [table1] REBUILD GO
断片化率 | 解消方法 | クエリ |
---|---|---|
5〜30% | 再編成 | ALTER INDEX REORGANIZE |
31%以上 | 再構築 | ALTER INDEX REBUILD |
なお、インデックスを再構築した後でデータファイルの圧縮を実施すると、圧縮用の領域確保のためにデータが新たに並べ替えられて、再び断片化してしまうので注意してください。
「業務処理が「なぜか」だんだん遅くなっていく」場合の対策手順
- 「dm_db_index_physical_stats」を実行し、断片化状況を確認する
- インデックスの断片化を解消する
- 断片化解消後はデータファイルの圧縮を行わない
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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