「断片化なし」「不足インデックスなし」にもかかわらず、業務処理が遅くなっていく(パフォーマンストラブル):SQL Serverトラブルシューティング(47)(2/2 ページ)
本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「断片化/不足インデックスには問題がないのに、データベース処理がだんだん遅くなっていく事例とその対処方法の続編」を解説します。
解決方法
ある程度圧縮の効果が見込めると判断される場合は、実際にテーブルやインデックスに対して圧縮を実施しましょう。
例えば「OrderLines」というテーブルに対してページ圧縮する場合には、以下のクエリを実行します。
USE [WideWorldImporters] GO ALTER TABLE [Sales].[OrderLines] REBUILD WITH (DATA_COMPRESSION = PAGE) GO
データを圧縮すれば、ディスクI/Oも相応に抑制できることでしょう。しかし、圧縮処理やその解除のためCPUリソースはその分必要となります。そもそもディスクI/Oが多くない場合、あるいはCPUリソースに余裕がないシステムでは、圧縮機能によるメリットが得られないので注意してください。
「断片化なし/不足インデックスなしであるにもかかわらず、業務処理が遅くなっていく」場合の対策手順
- パフォーマンスログでディスクI/Oがネックになっていること+CPUリソースに余裕があることを確認する
- 「sp_estimate_data_compression_savings」で圧縮効果を確認する
- 遅い処理が使っているテーブルやインデックスに対してデータ圧縮を実行する
筆者紹介
内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)
ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。
椎名 武史(しいな たけし)
ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
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