5分で絶対に分かるオブジェクトストレージ:5分で絶対に分かる(4/5 ページ)
IoT/ビッグデータトレンドの進展に伴い、データ蓄積・活用基盤として注目を集めているオブジェクトストレージとはどのようなものなのでしょうか? 5分で解説します。
4分―オブジェクトストレージのメリット
ではここで、あらためてオブジェクトストレージの特長を簡単に整理してみましょう。
1.Webネイティブ
サーバを介してではなく、REST API、HTTPプロトコルを介してデータを操作します。「ストレージにアクセスするために、そのストレージをマウントしたサーバにアクセスする」といった概念がないので、サーバ特定のプラットフォームにロックインされません。また、ネットワーク越しに使用することが前提である点でクラウドアプリケーションに最適であり、パブリック/プライベートクラウドが重視されている昨今のIT環境にぴったりといえます。
2.分散化ストレージ
オブジェクトストレージは、可用性を高めるために、同じデータを複数のノードに分散して書き込むことによって、ノードやラック、サイトといった単位での障害に耐えられる仕組みとなっています。ただ「同じデータを複数箇所に分散して書き込む」ということは、その分、データ容量が2倍、3倍と増えてしまうことになります。そこで昨今は、「イレージャーコーディング」(消失訂正符号技術)と呼ばれる手法によって、データ容量を抑えながら高度な安全性・信頼性を担保することもできるようになってきました。これがオブジェクトストレージの価格を引き下げると期待されています。
3.無制限のスケールアウト
オブジェクトストレージは、並列化したノードで構成したフラットなストレージ空間に、互いに依存関係のない個々のオブジェクトを分散して書き込む仕組みとしています。この仕組みによって、データ量が増えてもノードを追加するだけで、柔軟かつ無制限にスケールアウトすることができます。
4.止まらないシステム
ノードレベルでの停止がオブジェクトストレージ全体の運用には影響しない仕組みになっているため、リソースの拡張/縮小や、ファームウェアの更新/移転といった作業も、運用を止めることなく行うことができます(製品/サービスにより異なる)。
こうして特長をまとめると、「クラウドファースト」「IoT/ビッグデータ時代」などと形容されることも多い昨今の企業ITの世界において、オブジェクトストレージが注目される理由も理解しやすいのではないでしょうか。
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