Cisco、「人の意思や意図」を基に直感的ネットワークを実現する「Cisco DNA」製品群を発表:学習、適応、進化が可能な次世代ネットワークを構築可能に
Ciscoは、インテント(意図、意志)ベースの直感的ネットワークを実現する「Cisco DNA」技術を搭載した製品群を発表した。
Cisco Systemsは2017年6月20日(米国時間)、人間の意思や意図(インテント)を踏まえて“直感的ネットワーク”を実現する、「Cisco Digital Network Architecture(Cisco DNA)」技術に基づいた製品群を発表した。
Cisco DNA技術を用いた新たな製品群は、「人の行動を予測してセキュリティ脅威を未然に阻止する。そして、継続的に自動学習して進化するシステム」の実現を目指すビジョンの結実だと同社は述べている。
Ciscoはこの“直感的なネットワーク”を、「インテントに基づいた自己学習型プラットフォームとして、データの文脈(コンテキスト)までを理解して認知し、人間の意図に応じて動作・進化するネットワーク」と位置付け、この「インテント」「コンテキスト」「直感」という3つのキーワードを次のように説明した。
- インテント:人間の意思や意図の理解を基に自動化されたネットワークを構築することで、IT部門は従来の面倒な手動プロセスから、数百万台規模のデバイスまでを数分で管理できるようになる。新技術の利用が広がる中で、企業や組織が適切なかじ取りを行っていく上で重要な基礎技術になる。
- コンテキスト:文脈としてデータを解釈することによって、ネットワークへ新たな洞察を提供できるようになる。文脈とは、データを取り巻く「誰が、何を、いつ、どこで、どのように」などを的確に解釈するための情報のこと。“直感的なネットワーク”はこれらを的確に解釈し、セキュリティの向上、利用者に沿った操作性、運用の迅速化などを実現する。
- 直感的:Cisco DNA技術を用いたネットワークは、大規模な機械学習を可能にする。Ciscoは世界規模の自社ネットワークを流れる膨大なデータを利用して、機械学習を行う仕組みを持っている。この仕組みを活用し「次の行動」につながる洞察を導き出す。
新たな製品群では「Cisco Catalyst 9000シリーズ」を中心に、直感的に操作できるネットワークの集中管理ダッシュボード「DNA Center」、ポリシー強制の自動化とネットワークセグメンテーション機能を備え、ユーザー、デバイス、モノのネットワークアクセス管理を容易にする「Software-Defined Access」、強力なネットワークアナリティクスプラットフォーム「Network Data Platform」「Network Data Assurance」、暗号化トラフィックの分析・解析ツール「Encrypted Traffic Analytics」などを提供する。
2017年6月からCisco Catalyst 9300/9500シリーズの受注を開始しており、以降2017年11月までに順次サービスを拡充させていく予定。既に75の主要なグローバル企業や組織が、今回発表された次世代ネットワーキングソリューションの初期テストを実施している。例えば、DB Systel、ジェイド応用科学大学、NASA、Royal Caribbean Cruises、Scentsy、UZ Leuven、Wiproなどがテストに参加している。
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