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リアクティブプログラミングにおけるPlay、Akka、Akka Streamsリアクティブプログラミング超入門(3)(1/2 ページ)

本連載では、リアクティブプログラミング(RP)の概要や、それに関連する技術、RPでアプリを作成するための手法について解説します。今回は、Lightbend Reactive Platformを構成するPlay framework、Akka、Akka Streamsについて、実際にサンプルを動かしながら解説します

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 前回記事では、Lightbend Platformを構成する各プロダクトについて紹介しました。今回はLightbend Reactive Platformを構成するPlay framework、Akka、Akka Streamsについて、実際にサンプルを動かしながら解説します。

 なお、本稿のサンプルプログラムを動かしたい場合、前回記事にセットアップ方法を記述してあるので、それを参考に環境を作成しておきましょう。

リアクティブプログラミングにおけるPlay framework

 ここではPlayのプロジェクトを作成し、ソースコードの内容について解説します。

sbtとは、Giter8とは

 なお前回記事では、「Activator ui」を使用してプロジェクトを作成しましたが、Activator uiはEOLを迎えることになっています。

 現在は「sbt」「Giter8」の使用が推奨されているので、その方法を用いてプロジェクトを作成してみましょう。

 sbtはMavenやGradleと同じビルドツールです。Scalaを用いてビルドの定義を記述し、コンパイルやライブラリの管理まで行えます。Lightbend Reactive Platformでは、2016年にGiter8テンプレートのサポートが追加されました。

 Giter8は、GitHubのリポジトリに登録されているテンプレートからプロジェクトを生成するためのツールです。

sbtのインストール

 sbtはHomeBrewでインストールできます。

% brew update && brew install sbt

 HomeBrewを使わない場合、下記ページを参照してsbtをインストールしてください。

Giter8のインストール

 次に、Giter8を使ってプロジェクトを作成します。途中で出て来る入力項目は全てデフォルトで問題ありません。

% sbt new playframework/play-scala-seed.g8

sbtコンソールの起動

 作成したプロジェクト(play-scala-seed)へ移動し、sbtコマンドを実行すると、sbtコンソールが起動します(※初回は依存ライブラリのダウンロードなどで時間がかかります)。

% sbt

Playアプリの起動

 sbtコンソールでrunコマンドを実行すると、アプリが起動します。「http://localhost:9000」にアクセスしてみてください。

[play-scala-seed] $ run

 ブラウザに「Welcome to Play!」と表示されればアプリは正常に起動しています。

主要なファイルの中身

 主要なファイルのコードを少しだけ見てみましょう。

  • build.sbt

 sbtのビルド定義は、ここに記述します。サンプルでは、プロジェクト名、Scalaのバージョンなどが定義されています。またサードパーティーのライブラリを使う場合は、libraryDependenciesを使うことで依存性の設定を追加できます。

  • conf/routes

 メソッド/パスをアクションとマッピングさせるための定義ファイルです。下記のroutesファイルでは、GETメソッドで「/」(ルートパス)にアクセスすると、HomeControllerクラスのindexメソッドが実行されます。

# An example controller showing a sample home page
GET     /                           controllers.HomeController.index
 
# Map static resources from the /public folder to the /assets URL path
GET     /assets/*file               controllers.Assets.versioned(path="/public", file: Asset)
  • app/controllers/HomeController.scala

 routesでルートパスにマッピングされたアクションを実行するためのコントローラークラスです。

@Singleton
class HomeController @Inject()(cc: ControllerComponents) extends AbstractController(cc) {
 
  def index() = Action { implicit request: Request[AnyContent] =>
    Ok(views.html.index())
  }
}

 ここに定義されているindexメソッドが、マッピングされたアクションです。リクエストを受け取ったら後述するビューへ処理を渡しています。

 また、@Injectアノテーションを使うことで、ControllerComponentsがDI(Dependency Injection)されます。もちろん自作クラスもDI可能なので、ここでロジッククラスへのDIを行うのが一般的です。

  • views/index.scala.html

 Playでは「Twirl」というScalaベースのテンプレートエンジンが使えます。Scalaのコードブロックを埋め込み、HTML(XMLやCSVなどテキストベースなら何でも)を生成できます。

@() @* <-ここでパラメーターを受け取ることも可能 *@
 
@main("Welcome to Play") {
  <h1>Welcome to Play!</h1>
}

 Play frameworkの詳細は、連載「Scala+Play 2.0でWebアプリ開発入門」でも解説しています(※バージョンは2.0〜2.1を使用しているので注意)。よろしければ、こちらもご確認ください。

Akkaの動作を確認

 Akkaは、伸縮性、拡張性、耐障害性のある「アクター」モデルのメッセージ駆動型ランタイムライブラリです。詳細については、記事「Play2+nginx/Akka/WebSocketで高速双方向通信」など、Akkaについて解説しているサイトは多くあるので、ご確認ください。

 まずはAkkaの動作を確認してみましょう。シンプルなアクターを作成し、メッセージ処理を実行してみます。

 プログラムを動かしたい場合は、下記コマンドを実行してScalaアプリのテンプレートを作成してください。

sbt new sbt/scala-seed.g8

 最初にアクターを定義します。Actorクラスはメッセージ受信用のMailboxとメッセージ処理用のreceiveを持っています。下記は、文字列を受け取ったらコンソール出力するだけのシンプルなアクターです。

/* src/main/scala/example/Main.scala */
 
class HelloActor extends Actor {
  def receive = {
    case req:String =>
      println(s"Hello $req")
    case _ =>
      println("unknown type message")
  }
}

 実行オブジェクトを作成します。先ほど定義したアクターのインスタンスを作成し、メッセージを送信してみます。

/* src/main/scala/example/Main.scala */
 
import akka.actor.{Actor,ActorSystem,Props}
 
object Main extends App {
 
  //ActorSystemはAkka 全体の設定保持と全てのアクターインスタンスを管理
  val system = ActorSystem("HelloActor")
  val actor = system.actorOf(Props[HelloActor], "helloActor")
 
  //メッセージ送信
  actor ! "taro"
 
  //アクターとシステムの停止
  system.stop(actor)
  system.terminate
}

 ActorSystem#actorOfを使ってアクターのインスタンスを作成し、メッセージを送信しています。HelloActorのreceiveで文字列を受け取り、コンソールを表示しています。

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