検索
ニュース

RSA、2018年のサイバー犯罪について4つの傾向を予想「SNSがダークWebに取って代わる」

RSAは、ホワイトペーパー「2018年のサイバー犯罪の現状」を発表し、「アカウント乗っ取りの増加」「サイバー犯罪は新しいインフラに拡大」「新たな脆弱性が登場」「3D SECURE 2.0導入準備」の4つの動きが今後顕著になると予想した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 RSAは2018年3月29日、ホワイトペーパー「2018年のサイバー犯罪の現状」を公開した。同社は、オンラインで提供されるさまざまなサービスとそのユーザーを標的にしたサイバー犯罪の傾向から、今後顕著になる動きを4つ予想した。

「大規模情報漏えいによるアカウント乗っ取りの増加」

 大規模な情報漏えいとフィッシング攻撃により、既にユーザー名やパスワードなどの個人情報が闇市場に大量流出している。サイバー犯罪者は、ユーザー名とパスワードを複数のアカウントで使いまわす人が多い点を利用して、入手した個人情報をアカウント乗っ取りに悪用しているという。RSAでは、「個人情報がまだ使える状態であるかどうかを確かめる新ビジネス『テストサービス』がますます盛んになる」と予測する。

「サイバー犯罪は新しいプラットフォームとインフラに拡大」

 RSAでは、今後サイバー犯罪者はソーシャルメディアやブロックチェーン、IoT(Internet of Things)に注目すると見ている。

 人気のソーシャルメディアは無料でほぼ全世界に普及しており、サイバー犯罪者向けのコミュニケーションチャネルとして急成長が見込まれている。RSAによれば、ソーシャルメディアでの不正行為は70%も増加しており、そのほとんどが「誰でも閲覧できる設定を利用していた」という。

 RSAは「運営の手間やホスティング費用などがかかるダークWebはもはや不要で、クレジットカード番号など不正に入手した金融情報やサイバー犯罪の手引書、マルウェアやハッキングツールなどが、今ではFacebookで公然と共有されている」としている。

画像
DDoS攻撃やフィッシングサイトのホスティング用として、多くのサイバー犯罪者が「デフォルトのパスワードのまま」稼働するIoT機器を狙っているという(画像はイメージです)

「不正行為に悪用できる新たな脆弱(ぜいじゃく)性が登場」

 RSAによれば、オムニチャネルの拡大や「オープンAPI」、英国で2008年から始まった「ファスターペイメント」などの動きに追従する形で、サイバー犯罪者は新たな不正行為の開拓を進めているという。

 オープンAPIエコノミーを利用すれば、銀行口座情報を他のサービスで活用できるようになる。24時間365日のリアルタイム送金が可能なファスターペイメントが適切なセキュリティ対策を持たないまま広がれば、不正行為にさらされるリスクが生じる。

「カード発行会社と加盟店による3D SECURE 2.0導入準備」

 クレジットカード取引にまつわる不正の高度化が進み、1時間当たりの損失は66万ドルに達するという。そのため、不正行為の減少が実証されているリスクベース認証を備える「3D Secure 2.0」プロトコルの導入が推進されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Security & Trust 記事ランキング

  1. 「SMSは認証に使わないで」 米CISA、モバイル通信を保護する8つのベストプラクティスを公開
  2. 終わらせましょう。複雑過ぎるKubernetes/クラウドネイティブが生む心理的安全性の低下を――無料でクラウドセキュリティの勘所が分かる130ページの電子書籍
  3. 日本人の約半数が「1年前より危険」と考えるオンライン詐欺とは マカフィーがホリデーショッピング詐欺に関して調査
  4. 3割程度のSaaS事業者が標準的なセキュリティ対策をしていない アシュアードがSaaS事業者を調査
  5. NIST、3つのポスト量子暗号(PQC)標準(FIPS 203〜205)を発表 量子コンピュータ悪用に耐える暗号化アルゴリズム、どう決めた?
  6. 廃止済みの「Internet Explorer」を悪用したリモートコード実行の脆弱性、Microsoftは対策パッチをリリース
  7. ChatGPTやClaudeのAPIアクセスをかたってマルウェアを配布するPython用パッケージ確認 Kasperskyが注意喚起
  8. 中小企業の20%の経営層は「自社はサイバー攻撃に遭わない」と信じている バラクーダネットワークス調査
  9. 商用国家安全保障アルゴリズム(CNSA)の期限となる2030年までに暗号化/キー管理サービス市場が60億ドルに達するとABI Researchが予測 急成長の要因とは?
  10. AWS、組織のセキュリティインシデント対応を支援する「AWS Security Incident Response」を発表 アラートに圧倒されるセキュリティチームをどう支援?
ページトップに戻る