AIが会計データの異常仕訳を自動抽出 仕訳データの機械学習で検知度を向上――PwCあらた、「AI会計仕訳検証システム」を試験運用
PwCあらたが、自社開発した「AI会計仕訳検証システム」の試験運用を開始。監査ツールの仕訳データを機械学習したAIが、会計データから異常仕訳を自動抽出する。膨大なデータを分析して誤謬(ごびゅう)や不正を調査するだけでなく、人間が想定しないリスクや課題の発見も期待できるという。
PwCあらたは2018年4月16日、AIを活用して会計データの異常仕訳を自動抽出する「AI会計仕訳検証システム」を開発し、4月から試験運用を開始したと発表した。
AI会計仕訳検証システムは、同社のデータ監査ツール「Halo for Journals」の仕訳データ全件を対象に、機械学習で一定の法則性を読み取り、個々の仕訳がそれに合致するかどうかを評価することで、異常な仕訳を抽出する。
監査チームがこのシステムを利用することで、膨大なデータを網羅的かつ効率的に分析し、誤謬(ごびゅう)や不正の可能性を調査できるたけでなく、人間が想定しなかったリスクや課題の発見も期待できるという。
PwCあらたでは、2016年10月にAI監査研究所を設置し、AIを活用した監査品質の向上や業務の効率化に向けた調査研究に取り組んでおり、今回開発したAI会計仕訳検証システムは、その成果の1つと位置付けている。
なお、Halo for Journalsは、コンピュータ利用監査技法(CAAT)により仕訳データの分析を効率化するツール。今後、同社では、AI会計仕訳検証システムにHalo for Journalsのデータを学習させることで、異常検知の精度向上を図っていくという。また、監査業務への本格導入や仕訳データの検証以外の分野へのAI活用も検討していくとしている。
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