人工知能でメーター表示を読み取り、GMOクラウドが工場などに向けてサービス提供:スマホで撮影
GMOクラウドは各種メーターをスマートフォンで撮影するだけで表示値を集計できるサービスの提供を開始した。撮影したメーターの画像を人工知能が読み取り、集計する。固定カメラなどの設置工事は不要で、導入コストを抑えられる。
GMOクラウドは2018年7月31日、工場などに設置された各種メーターの値を集計するサービス「hakaru.ai byGMO」(β版)の提供を開始した。メーターをスマートフォンのカメラで撮影すると、AI(人工知能)が画像を認識して表示値を集計する。今後はβ版を利用したモニター企業の意見を踏まえてサービスの精度向上を図り、2018年秋をめどに正式版を提供する予定だ。
hakaru.ai byGMOは、既存のメーターにQRコードのシールを貼るだけで導入できる。アナログ/デジタルの両メーターに対応し、メーターを製造した企業の違いも吸収する。
スマホ用の専用アプリで読み取った数値は、リアルタイムにWeb台帳に記録される。その後集計、グラフ化する。異常値を読み取ったときには、管理者に対して自動通知する機能も備える。画像認識には、同社が開発したAIを活用した。同社によると、人間による目視確認と同等以上の精度で値を読み取り可能だという。
GMOクラウドによれば、工場などでの点検業務は、メーターを目視で読み取り、数値をExcelなどで作った台帳に記入して管理するケースが一般的で、その業務負担の大きいことが課題になっていた。また、人手を介することから、人的ミスを減らす工夫も必要だったという。
最近では、各メーターに固定カメラを設置し、IoT(Internet of Things)技術を活用したメーター読み取りサービスがあるが、全てのメーターにカメラを設置する必要があり、大規模な設備投資や工事が必要になるなど、導入のハードルが高いという。
そうした既存のサービスと比べてhakaru.ai byGMOは、固定設備が不要であり、メーター固有のQRコードを貼り付ける作業だけで導入が完了する。
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