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「満足度」の高いプレゼンでチャンスをつかもう!羽ばたけ!ネットワークエンジニア(7)(1/2 ページ)

ネットワークエンジニアにとってプレゼンは重要だ。セミナーでソリューションを紹介する、コンペで提案書を説明するなど、プレゼンの良しあしが案件開拓や受注の成否を大きく左右する。今回は効果的なプレゼンのテクニックについて述べる。

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 ネットワークエンジニアにとってプレゼンテーション(プレゼン)は重要な仕事だ。筆者の場合、これまでのネットワーク構築、運用のほとんどはプレゼンがきっかけとなって受注したものだ。セミナーで新しいネットワーク技術やアイデアを紹介し、関心を持ってくれた企業に提案しているからだ。

 2018年7月は3つのセミナーでプレゼンを行った。それぞれ90分、45分、90分という比較的長時間のプレゼンである。

 45分のプレゼンは「NEC iEXPO KANSAI 2018」での講演だ。このプレゼンはお客さまがアンケートで評価する。「満足した」「ほぼ満足した」「やや不満」「不満」の4段階評価である。リサーチの用語ではこのような満足度調査で一番良い評価を「トップボックス」という。顧客満足度を高めるにはトップボックスの割合を高めることが重要だといわれている。

 一般にプレゼンのアンケートでは2番目の「ほぼ満足した」が6割程度を占め、一番比率が高い。トップボックスは3割にも満たないのが普通だ。最後に紹介するように著者のプレゼンはトップボックスの比率が極めて高い。結果としてアンケートの「詳細な説明を希望」といった引き合いの件数も多くなる。どうすればプレゼンの満足度を高めることができるのだろう。

プレゼン満足度を高める5つの要素

プレゼン満足度を高める5つの要素
プレゼン満足度を高める5つの要素 特に重要な項目には「★」を付けた

 図1がプレゼン満足度を高めるための要素である。以下、太字にした項目は特に大事なものだ。重要性が高い順に要点を解説する。

(1)役に立つ

 どんなに話し方が上手でも内容が「役に立たない」のでは意味がない。聴き手にとって役立つ内容であることがもっとも大切だ。

  • 独自性がある 他にはない独自のアイデアやノウハウが示されている
  • 効果が明確 メリットがはっきり分かる
  • 裏付けがある 事例によって独自性や効果が証明されている

(2)楽しい

 筆者は「面白くて、役に立つ」プレゼンを心掛けている。面白くなければ45分、まして90分のプレゼンを集中して聴いてもらうことなどできない。

  • トリビアな話がある 特に導入部分で聴衆をプレゼンに引き込むためには、トリビアを挿入することが効果的だ
  • 楽しそうに話す 仏頂面で淡々と話すよりにこやかで表情豊かに話すのがいい
  • リアルな体験談がある 学者のように他人の事例を紹介するのでなく、自ら経験した事例についてディテールを交えて話すと説得力が増すだけでなく、関心も高められる

(3)分かりやすい

 伝えたいことを確実に伝えるには分かりやすさが重要だ。

  • 結論をまとめている 最後のスライドに伝えたいことを2つから3つの短い文にまとめる
  • ストーリーがある 話の筋が通っていると理解しやすい
  • 情報量が適切 詳し過ぎるとポイントが見えにくくなる。かといって情報が不足すると肝心なことが伝わらない。過不足のない情報量にすることが肝要だ

(4)プレゼンが上手

 筆者は次の3点を心掛けている。

  • スライドに書いていないことを話す 文章だらけのスライドを作り、読み上げているようなプレゼンは最低だ。そんなプレゼンは必要ない。スライドをプリントした資料を持ち帰ってもらえばよい。スライドに書いていないことを話すから、プレゼンの価値があるのだ。筆者は45分といった比較的長時間のプレゼンを進める場合、20%から30%の時間は「余談」に使う。後ほど示すようにプレゼンのテーマと関係はあるものの、スライドに書くような内容ではないことだ。余談で聴き手の関心を高め、飽きずに聴いてもらうことができる
  • 間がある 一本調子に話し続けるプレゼンほど聴きづらいものはない。聴き手の反応を見ながら「間」を取ることが大切だ。重要なことを話すときはゆっくりと話し、話した後に間を取る。筆者は声に強弱も付けている。強調したいことは大きな声で話す。逆にわざと声を小さくしてゆっくり話し、注意を引くこともある
  • 適度なアイコンタクトがある 聴き手が100人、200人といった大人数であっても、プレゼンは必ず聴いている人を見ながら進める。会場全体に目配りしながら、語り掛けるように話すのだ。そして、顔がはっきり見える近くに座っている人の中で顔を上げて熱心に聴いている人を2〜3人見つけておく。そういう人に時々視線を送ると話しやすい

(5)共感できる

 話し手と聴き手の間に共感があると伝えたいことがより良く伝わる。

  • 自信を持っている このように聴き手に感じてもらえることが大事だ。自分で考え、自分で手掛けていることを話していれば、ごく自然に自信は聴き手に伝わるものだ
  • 自分の意見をハッキリ言う これは筆者の好みだ。「歯切れ」が良いことを重視する。歯切れが良いのは言葉の最後に断定を置いているためだ。歯切れの悪い例はコンサルタントによく見られる。「〇〇という考え方もある」などと断定を避けた言い回しが多い。その方が賢く聞こえると思っているのかもしれないが、聴いている人は歯切れが悪いと思うだけだ
  • 人間味を感じさせる 例えば、筆者はSIMフリースマートフォンのプレゼンで、新宿駅西口のビックカメラで妻に誕生日のプレゼントとしてHuaweiのSIMフリースマホを買ったときのエピソードを面白おかしく話したことがある。こういう話を挿入することで親近感を持ってもらうことができる

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